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カットに負けないカラーでの変化はどれくらいなもんか。思い切ったミックスの衝動を抑えこまない勇気が必要なのだと。

あるお客様との会話で。


前回数年ぶりにカラーをしたというお客様。赤味が嫌で、今回は暗めで青味強めなダークブラウンにしたいととの事だ。

ミックス自体はなんてない事ではあるが。

カラー剤を塗布しながら、

「今回は暗めがいいんですね。身体的にフィットする感じがあるんですかね」
「そうですね,昔はブリーチもしたんですけど、明るいのがどうも似合わないのか落ち着かなくて。」
「へー、ブリーチ。学生のときですか?」
「成人式のときでした。グレーぽくしました。」
「赤味が強そうだから、2回ブリーチしないときれいなブロンドになりづらそうですね。」
「そうなんです,2回していました。成人式当日の時にはもう黄色っぽくなってました。」

という様なやり取り。


赤味の強い方が、ブリーチを1回した程度ではどうしてもきれいなグレーやアッシュにはなりづらいものです。

その人が持つ色素が髪の毛にも肌の色にも存在すると思います。


赤味が強そう。黄色っぽいのが似合いそう。青味よりの色素が良さそう。などそのヒト自身が持ち、その人自身がフィットすると思う色があります。

こちらが提案する色と、お客様が気にしている色をマッチングさせる事ができたときはしてやったりと心の中でガッツポーズ。最終的な仕上りが完璧なら必ず喜んでいただけます。


「前回久しぶりにカラーしてどうでしたか?」
「前回はカラーを明るくした事よりも、ヘアスタイルをかなりチェンジしたんでカットで短くしたことの方が言われましたね。」
「じゃあカラーはそんなに気づかれなかったんですね。」


これはカラーリストとしてはカットでの変化に負けたみたいで、悔しい気分があった。


続けて

「気づいてもらえなかったのであれば、やっぱり金髪くらいにした方いいんでしょうね」
「ははは〜そうですね」

なんて笑っていましたが。


第3者が見て変化に気づかせる為には、ヘアカラーで言うと3~4Lvの変化必要とされる。

これはヘアカラーだけの場合に限る。

このときカットでもビックチェンジの場合は3~4Lvでは色の変化に対してコメントをもらう事はできないのかもしれない。そうなるとカットでのチェンジに負けない明度差の変化はどれくらいなものなのだろう。



カットでビックチェンジしている。そして地毛が5Lvからのカラーチェンジ。(あくまで個人的な見解です。)

5Lv→6 Lv 7Lv 変化に気づいてもらえない

5Lv→8Lv あれ、なんか変えた?髪型かな?なんて言われる

5Lv→9Lv あれ、カラーもした?と気づいてくれる人が3人中1人くらい

5Lv→10Lv さすがに気づく 明るさが似合わない場合は言われない

5Lv→12Lv 驚かれるだろう(1回ブリーチしている状況)


とまあ、変化の度合いによって気づいてもらえるのだが、コレばかりは回りにいる人たちの髪の毛をどれだけ気にして褒めるか精神にもよるので、正確な事は何とも言えないのが正直なところだ。


それと経験としてあるのは,

久々に明るくされる方で、

「そんなに明るくしたいわけではないけど、友達や彼、ダンナさんには気づいて欲しいくらいの明るさがいい。」

というような方をカラーした時、仕上りを見てもう少し明るくても良かったかなと思うときがあった。少し控えめになり過ぎた為に、2〜3Lvしか上がらず変化が少なかった。これはどこまで攻め込めるか、12Lvをびびらずどれほどミックスできるかみたいな緊張感のある話だ。


カットに負けない事が大切なのでない。

ただカラーで変化を気づいてもらえるのはどれくらいなんだろうとふと考えたまでである。これは思い切ったミックスの衝動を抑えこまない勇気が必要なのだと。




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