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記録の為の旅行記〜果てしなく続く砂漠へ4


ベルベル式と言われる、交渉方法があるらしいという事は、ロンドンに住んでいる知人から聞いていた。なんだそれはと思い、地球の歩き方を見てみると確かに書いてあった。

確かに行く先々で、このやり取りだ。

「コレはいくらだ、お前はいくら出す?」と店の主人は紙に金額を書き、こちらにペンを差し出す。口ではなく、紙とペンが必要な交渉だ。

「いやいやこれくらいしかだせない」と半額の値段を書く。

「ではこれでどうだ」とさっき提示した金額よりも低く、だけどこちらの提示する金額よりも高く書いてくる。

というように何度も書いては、渡し、そしてまた書く、というやり取りを何度となく行う。そしてお互いが納得いくところが、その物の値段になるというシステムだ。あらゆる物に定価が無いという事は聞いていたが,ただでさえ全てを疑って入国しているのに、定価が無いという事が余計疑いを強くしているように思える。

「本当はいくらなんだ」という値段は人それぞれに変わっていくのだろう。そんなに金持ちそうに見えなかったはずなのだが,なかなかどうして、ふっかけてくる。日本人の定めなのだろうかとさえも思う。

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フェズの迷路に入るにはガイドにお願いしなければならない。ガイドは躊躇することなく、すらすらと迷路のような路地を歩き、自分が希望したところへ連れて行ってくれる。皮なめし工場(タンネリ)が本に載っていたので,ここに行きたいと言い連れて行ってもらった。獣の臭いがつよいから、ミントの葉をを鼻に詰める、という工夫がモロッコ的で記憶に残っている。

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ガイドと土産物屋の癒着は半端無かった。(勝手な言い草ではある。)
勝手にそう思っているだけだと思うが,やたらとお土産物屋に連れて行かれる。宝飾品屋、謎の香辛料屋、革製品屋などなど、次から次へとつれ回される。街のガイドというよりは土産物ガイドだ。

「絨毯は買わないか?」と聞かれ、「荷物になるから買わない」と答えたが,「まあ、行ってみよう」と無理矢理連れて行かれる。

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行った絨毯屋では40歳くらいの男性が笑顔で迎え出た。
「今日も客を連れて来たぜ。しっかり、売りな。あとで30%くれよ」「ああー、もちろんだ。いつもありがとうな。」
というような会話を挨拶しながら、交わしているのではないかと、勝手に妄想した。違っていたらごめんなさい。


絨毯を買った。まんまと買ってしまった。さほど大きくなく、高くもなかったからまあいいかと思い。値段は覚えていないが、そこの店主のかわいらしい女の子の笑顔に負けて買ってしまった事は覚えている。


でもそのあとのモロッコ旅の中で砂漠に寝転んだり、原っぱに寝転んだりする時にかなり役立った。ロンドンに戻って、絨毯を洗濯した。クリーム色の生地にに赤色と青色で描かれていた模様は見事に滲んでしまった。


結構気に入っていたからとても残念な事をしてしまった。


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一人旅での教訓

1, 交渉のときはできるだけ笑顔で。

2, 子供笑顔は最終兵器だ。

3, 絨毯は洗わない。

いつか書いておきたいと思いつつ、ほったらかしにしていた案件を少しずつ書いていくというnote記録です。

気の向くままに、
少しずつ
砂漠までの道のりを記していきます。

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