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ルーチンなくしてできるディレクターは生まれない。ルーチンワークをチャンスに変える4ステップ

ルーチンワークにネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。私もそうでした。アルバイト時代に流れ作業で最後の梱包と計測をするという役割を任され、横目で偉そうな社員に監督されるなか、一日3,000近くを捌く作業の経験がありそのイメージを強く持っていました。

この note はルーチンワークに追われている方が、評価を得るチャンスと前向きにとらえてもらうために書きます。

ところでルーチンワークとは何なのか、ここでは下記と定義します。

反復作業 = 誰にでも出来る
例:ワイヤーフレームの大量作成、数値表の記入やマッピング、日報、データ抽出など

普段の業務の中で、実際多くのルーチンワークが存在しますが、今日の話では下図において「作業時間が短い」ものが対象です。

ルーチンワーク

作業を振られたときに、自分がやるべきものなのか(コスト的な意味で)を確認しましょう。自分がやるべきものでなければ、それは初期のフローの作成や作業ボリュームが見えない時なので、より腕の見せ所です。

実体験として、私は以前あるルーティンワーク(反復作業)を任され、それをチーム体制化し、最終的にはゴールである外部へ委託できる状態にまでフローを固めるということを行いました。

これは、自分にとってルーティンワークとは何なのかを見直すきっかけにもなりましたので、ここに纏めたいと思います。

その時私が担当した作業は、1つの処理で2分ほどかかり、それが一日100件ほど(約3時間半)でした。今では500件オーバーの処理が必要となる成長案件です。。(苦笑)この作業を貰ったときは、1つの作業でどれだけの時間がかかるかも分からず、途方に暮れたものです。

その時の上長は、やる人いないからお前やっとけというノリだったのかもしれません。しかし、こういった簡単なものほど上長の期待を裏切るチャンスです。
ディレクターらしいルーティンワークのこなし方を実践することで、自己成長と評価につながります。

結論から申し上げて、ゴールは「作業体制を誰かにすぐ渡せる状態にしておき、渡した人もまた、別の人にスムーズに渡せる状態にしておく」ことです。

この体制を構築することが、業務及び作業ボリューム、コストの明確化と作業効率アップ、保険にもなります。

今回は、ルーティンワークを捌ける作業体制を作るための5つのステップを以下にご紹介します。


Step1 自分で作業してみる

まずは、ある程度慣れるまで実際に処理をしてみます。

1日に○時間この作業に充てると決め、下記を記録します

対応必要件数
対応件数
対応パターンの分類と集計

Step1でのゴールは、1件あたりどの程度の時間がかかるのか、作業完了迄にいくつのパターン(手順)が必要かを割り出すことです。一日の対応件数が一定になったところで、Step2に移ります。


Step2 作業をマニュアル(フロー)化

本当に無駄な作業がないか、確認しながらフローを作っていきます。

外部の部署とも連携をとる作業の場合、無駄なことをなくすための話合いで、その後の作業スピードがぐんと上がります。私の場合は、連携部署と週1回の定例ミーティングを行っていました。

フローの作成には4つのポイントがあります。

1. 役割分担の明確化
2. コミュニケーションの簡潔化
3. イレギュラーパターンへの対応方法
4. 根本解決の方法

それと同時に、作業をマニュアル化していきます。更新しやすくアクセスがしやすい社内Wiki等を利用し、マニュアル化するのが良いです。

アウトプットの目標はもちろん、引き継ぐ時に「ここ見て」で済ませることができるマニュアル作りです。

1. 処理の概要
どういった作業なのか、なぜこの作業が必要なのか
2. 必要なツール
処理に管理ツールが必要な場合、申請先(担当者のメアド)まで記入
3. ツールの使用方法
画面キャプチャをつけるなど、はじめて見る人にも分かりやすく作成する
4. パターンとそれに対応する処理方法
パターンは漏れなく記載します

印刷する機会の多い、作業の必要件数・処理件数は別(エクセル等)に管理します。

これで他の人を巻き込む準備が整いました。処理必要数と、対応数(作業時間)を元に上長を説得し、人をアサイン、もしくは外注化の相談をしましょう。

多くの場合、自分で作業することが会社にとってよい費用対効果をもたらしません。

Step3 人に引き継ぐ

作業フローがマニュアル化されているために、人への伝達(教育)は楽なはずです。ある程度作業に慣れたところで、一日の目標値を伝達します。

他人に作業を依頼する際のポイントは、下記の点。しっかりと履歴を残しながら業務遂行します。日報などの定期報告で上長にアピールするのがポイント。

1. 更に効率化出来るところを話し合う。
別の人が作業に加わることで、更に効率化できる部分が見えてきます。
2. 作業管理(処理数・必要件数)をお任せする
3. 根本解決に役立つような統計を取ってもらう
処理の統計から、問題点が浮き彫りになり根本的解決につながる場合があります。
4. 自分も作業をする
これが大事です!

ここでの目標は、その人が別の人へ引き継ぎが出来る状態になるということです。


Step4 チームを作る - 担当者からチームへ

私の場合は、最初に1名作業者がアサインされました。
ただ、2人という少人数体制であっても、社内でチーム認識をもってもらうことがポイントです。毎日一定の数を処理しなければない業務だと尚更で、担当者としてしまうと、一人で処理しなければという精神的負担がかかります。

チーム化するメリットには、以下の4つがあります。

・メンバーの意識アップ
・窓口が分散しない
・だれかが不在でも、他のチーム員がフォローできる
・チームとしての目標が設定できる

チーム化の方法は簡単で、社内でそういう”体”を作ってしまうことです。
これには、

1. メーリングリストの作成(○○チームという名前で)
2. 別部署にチームとして認識してもらう
定例や、メールを通じて「○○チームでは・・」という言い方をする
3. チームとして自分たちも意識する

などの方法があります。リーダーシップを発揮するチャンスです。

Step5 フロー丸ごと別のチームへ引き渡し

ゴールです。ここまでで作業体制を引き渡す準備が完了していると思います。作業フローをまとめて別のチームへ引き渡しましょう。

ディレクションは、”がんばり”が定量化できる業務ではありませんが、結果が数値化できる「ルーティンワーク」を業務に盛り込むことで、一定の評価を得られるのではないかと思います。

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