和歌おきば 2019-11 (降順)

今月はやや少のうございました

短歌

うき人もうましとうけてうなるらむウニはうつくしうき人うたへ

ナトリウム燈の黄色の暮六にことしも来たる冬をしるかな

はるかにも寒夜にみてる月かげはおなじ心にながめざらめや

さゆる夜のねまきに羽織るダウンウェア頁めくればしゃらといふ音

文机に蝟集せし書の註(ちゅう)みれば読みたき本のねずみ算かな

惜しめども経ぬる杪秋われも彼もréalité(レアリテ)だましだまし生くらむ

夜去に鞄みちみち借本の重き家路の十日月かな

秋光に熟れむにむにの柿ひとつ忘れてないよヨーグルト甘し

くちびるの冷えもつのれる冬隣ふけよビードロぽっぴんぽっぴん

俳句

すつきりしない空ね柿投げるわよ(川上弘美のパロディ)

秋行くやひとり鴨脖(ヤーボー)むしる指

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