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小寺の論壇:PTA役員選出がなかなかゲスい話

今年もまたPTA役員の阿鼻叫喚が聞かれる季節となった。全国どこのPTAでも、例年GW前の懇談会でクラス役員選出、GW後に総会で新役員決定という流れである。

コデラは宮崎へUターン後、子供達が通う中学校の広報委員を2年間務めた。初年は委員長、2年目は三役であった。

この学校では、新役員を決めるクラス懇談会の前に、役職の希望をペーパーで提出することになっている。そこには、役員を引き受けられない場合は理由を書く欄がある。

もうさすがに2年やればお役御免だろうということで、2年間広報委員をやりましたので、今年は免除でお願いしますと書いて提出した。

さてクラス懇談会当日。まずはPTA役員決めからということで始まったが、クラスにいる本部役員が司会となって立候補を募った。立候補はなかったので、じゃあ希望役職別に「全員」分かれて下さい、という話になった。

いやちょ待てよ、と。2年間立候補で役員をやったあと、残りの1年も抽選の列に並ぶのはおかしいだろう。というわけて手を上げて、「広報委員を2年間やりましたので、今年は免除でお願いします」と言ったところ、「そういう制度はありません」ということで却下となった。

いやいや、それはおかしいだろう。役員を抽選で決めるのは、役員の負担を公平化するためだ。だがグラウンド2周走ってもういいだろうと思ったら、別にご苦労様ともいわれず「はいじゃあまたジャンケンするよー」と言われるようなものである。

これがなぜおかしいか。それは、「選出手段が公平化」されているだけで、「選出結果の公平化」がなされていないからである。「運が悪ければ何回でも」は、あきらかに結果が公平ではない。

そんな話をクラスの皆さんの前でさせていただいたのだが、後ろからある保護者が「今ここでそんな話しても前に進まないでしょう。そんな話は校長先生にでもすれば?」と言われてしまう始末である。

どうでもいいから抽選やってで早く終わって帰りたい、そういうことなのだろう。だがPTAの一番の「平場」はクラスであり、問題提起するなら、ここからやらないと筋が悪い。いきなりいち保護者が、間の階層をすっ飛ばしてトップへ向かって直談判でなんとかすればいいだろというのでは、組織が成り立たない。

おかしなことに、保護者の中にはいまだに先生が怖いという人がいる。保護者の話なのに、校長や先生にお伺いを立てないと何もできない、決められないと思っている保護者も多い。「それは先生も承知なのか」が決め台詞で出てくる場面に、これまで何度か遭遇している。

さらにもう1つここが大きな勘違いなのだが、PTAとは学校に所属する組織ではない。学校に所属するのは子供達であって、PTAは学校組織の外で連携する任意団体である。したがって、学校長が決定権を持つわけではなく、PTAの決定権を持つのは保護者の代表であるPTA会長である。

とまあ、そんな話で反論した。

すると今度は別の保護者から、「協力したくないならもうそれでいいんじゃないですか?」というなげやりな意見が出た。

これに対しては、これまで2年間も立候補で協力してきて、なんのねぎらいの言葉もなく協力したくない人扱いはおかしいですよね、と反論しておいた。

コデラもこれまで、さいたま市の小学校、中学校でPTAを経験してきたが、こんなゲスいことを言われたのははじめてである。PTAという組織は今となっては問題だらけだが、それはその土地それぞれの人間性によるところも大きいのだ。

宮崎県全体がこんな感じではないと信じたいが、この学校では、とにかく変わりたくない、変えたくない、これまで通りのやり方で手早く済ませたいという思いが強いあまり、出る杭を全力で殴りに来る保護者がまあまあいらっしゃる。受け身としてこれまで通りに、というのではなく、攻撃性を持ってこれまで通りに、という意志を持っているケースは、全国でもかなり珍しいのではないだろうか。

これまでの2年間、すでに広報委員会でも、あるいは子供の部活の保護者会でも薄々感じていたところだが、「変わるべき」ということの同意者を見つけるのがかなり困難な土地柄である。やはり「ところ変われば」という事だろう。

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