エヴァンゲリオンと僕

※これは「シン・エヴァンゲリオン劇場版」について記載していますが、特にネタバレは含みません。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の予告が流れたのが、2012年公開の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のエンディング。タイトルと数秒の予告が流れてから実に8年が経った今年、ついに完結編が公開となった。

僕は学生の頃からエヴァを見ていた。

テレビ版を録画していたオタク友達にビデオを貸してもらい、それを見始めた。明確にハマったのは第19話「男の戦い」と記憶している。そこから物議を醸したラスト2話で爆発的にメディアに取り上げられ、劇場版(通称旧劇)へ至る。映画もきちんと追いかけた。徹夜で並んで意識朦朧として観た「the end of EVANGELION」は、今でも白日夢のような思い出として残っている。

新劇場版として世界観を引き継いだ「リビルド(リメイクではない)」が発表されてからも、映画館で必ず見るようにした。昔のような「徹夜してまで」という熱量は無かったが、昔観た作品の新たな物語を、それでも追いかけた。

基本的にエヴァのファンは「待たされる」コトに慣れている。庵野監督が寡作であるコトも知っているし、また待った分だけ期待を超えたものを出してくれるコトも承知しているからだ(それでもシン・ゴジラの監督発表の時には「そんなコトよりエヴァ作れ」というツッコミはたくさんあった)。だので、このご時世というコトもあり「シン・エヴァ」が公開延期になるのも致し方ないという感じだった。

そして急遽、2021年3月8日に公開発表となると、いよいよ周囲がざわつきはじめた。午前0時を超えたあたりのチケット争奪戦は大変なものだったらしい。僕はといえば、とにかくネタバレを避けるには「先に映画を見るしかない」と思い、近所の映画館の朝イチの回を普通に押さえた。アクセスが集中するのは都内や主要都市でのコトなんだろう。意外と容易にチケットが取れた。せっかくなのでプレミアムシートにした。

そんなわけで当日は午前4時に起床し、アマゾンプライムで「Q」を予習した。起き抜けに白湯を飲んだけど、それ以降は水分を摂らなかった。何せ予告を入れると3時間近くなる。尿意との戦いは避けたかったので、映画館に着いてもギリギリまでトイレに行った。

こうして無事に見届けた「シン・エヴァ」だったが、とにかく

「良かった」

の一言に尽きる。これは色々な「良かった」が含まれる。公開できて良かった。完結して良かった。結末を見られて良かった。それぞれの「ケリ」が見られて良かった。少しだけ内容に言及するならば「モヤモヤした終わり方じゃなくて良かった」もある。これら全ての「良かった」だ。この際、物語の賛否はあまり気にしない。是非も何もない。作品の議論や考察については他の人がやってくれるだろうから、僕は僕で、見た人たちとオフラインでそのうち共有しようと思う。

長く続いた作品の結末をきちんと見届けるというコトは、実はそんなに簡単ではない。長期作品の弊害として「作者が亡くなってしまう」「ファンが亡くなってしまう」などのイレギュラーもある。序、もっと言うならばテレビ版から追いかけていたファンは、1996年から足掛け25年もエヴァと共に過ごしてきたコトになる。だから僕はラッキーだったと思う。長編作品を見届けるというのは、運も伴う気がしている。

僕は確かに庵野監督の「落とし前」をきちんと見届けた。

それだけで満足だ。

さらば、全てのエヴァンゲリオン。

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