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学研プライムゼミ 私大小説の攻略

対象読者

私立大学志望で小説の対策が必要な方や、池上先生の授業に興味がある方、これらの方々が今回の記事の対象です。

講座内容

60分✖︎5で5題(1講につき一題)を扱う講座です。
私大受験に完全に準拠しており、かなり多種な設問形式を扱っています。純粋な国文法の問題、不適切なものを選ぶ問題、接続語の問題、内容合致、記述問題、漢字問題、段落分け、理由説明、空所補充、内容説明、文学史、表現説明、和歌の空所、語句問題などです。他にもこれらに分類しきれない問題が多々扱われています。
ただ、多くの種類の設問形式を扱うのではなく、他の問題にも考え方が適用しやすいように、各々の問題から解き方を抽出して説明してくださるので、非常に一問あたりの学習効果が高いです。設問毎の解き方に併せて、選択肢の見方、解答の作り方も教えてくださいます。5回とは思えないほど濃密な授業です。それに加え、勉強の仕方についても随時触れてくださいます。
いままで小説について勉強してこなかった人でも、小説の読む際の注意点、解く際の注意点について一から説明してくださるので、初めて小説を学習する方でも心配いりません。評論でさえ今まで全く触れてこなかった人でも、評論の読解法を小説で使う場面では、しっかり説明してくださいますので十分ついていける内容になっています。小説は評論ほど読解法が多い訳ではないですし、文章の内容が難しくてよくわからないということもあまり起きないので、そこまで身構える必要はありません。

テキストで扱われている問題は、知識系の問題も多いので第3講、第4講以外は、設問が10前後と少し多めになっています。

私大独特の選択肢(解答としてあまり適切でない)にも触れられるので、慣れ(選択肢の許容範囲の確認)にも最適です。正直国立で記述がある方は、記述力が乱れるので解かない、もしくは触れない方がいいと思います(先生も授業内で少し愚痴をこぼしています笑)。

感想

自分が受けた時は、大学受験後だったので受験生と多少感覚のずれがある事はご了承ください。この講座を受けた当時、小説の問題は共通テストやセンターの問題しか解いた事がなかったので、さまざまな設問形式を見てこんな問題もあるんだなと新鮮な気持ちでいっぱいでした。特に和歌関係の問題は今まで触れたことがなかったので、問題形式や着眼点含めとても勉強になりました。割と空所補充の問題が論理関係から解くものだけでなく、語彙力勝負な問題が多いのも私大ならではの特徴で印象的でした。小説(論理関係が露骨ではない)なので当然といったら当然かもしれません。これらの点からも、共通テストの小説しか解いていない方が、私大型に合わせるには非常に良い講座だと感じました。

受講前にやっておいた方がいい事

基本的に小説の読解法について、ゼロから丁寧に教えてくださり、問題も難しくないので、先にしておかなければならない参考書や講座はありません。ただし、授業中に特別語彙について扱われる訳ではないので、小説で狙われる語彙の勉強は、別途他の参考書でしておいた方がいいと思います。オススメはビブリアと現代文重要語700です。この二つは小説で狙われる語彙が綺麗にまとめられているので非常にいいです。もちろんテキストに出てきた知らないものも、自分で調べて覚えるようにしてください。
本当に現代文が苦手な方はゼロから覚醒はじめよう現代文を先にし、基本的な事を学んでおくと受講がスムーズになります。

オススメの人

私大を受験し現代文で小説が出る方にオススメです。一般的には評論の出題が多いので、層としてはあまり多くないと思います。共通テストでよく問われる心情把握や表現の問題はあまり扱われていないので、共通テストだけで現代文を使う方は普通に共通テスト対策の方を取ってください。どうしても小説を得意にしたいという場合で、応用力を身につけるためにさまざま説明形式ふれる目的なら、私大志望以外の方でも受講するのは普通にありだと思います。ただ、必ず科目間のバランスは考慮しておいてください。受験には優先順位というものがあります。共通テストだけの方は、基本的に共通テスト対策現代文で扱っている問題を完璧(この後詳しく説明します)にするようにしてください。

注意点

先生も仰っていますが、必ずテキストのコピーを取ってください。コピーを取ったものに予習をし、授業のメモや板書の書き込みをし、白紙のテキストに向かって復習をするようにしてください。
予習はただ漫然と書いたり選んだりするのではなく、なぜそう書いたのか、なぜそれを選んだのかを明確にしたり、文章中でどこで迷子になったのか、どの選択肢で迷ったのかと疑問点を洗い出したりして、授業内容を効率的に吸収できるようにしておいてください。めんどくさがって、ただ漫然と読んだり、適当に解いたりするのでは意味がありません。成績を伸ばすためには問題と葛藤することが大事です。
授業中は、板書に書いている事だけでなく、口頭で説明してることも必ずメモるようにしてください。口頭でしか説明しなくても、内容的には大事なことは多いです。
復習時には何も書いていないテキストに向かって、解説を再現するようにしてください。はじめのうちは書き込んだものを見ながらで構いません。最終的には何も見ずに説明できるようしてください。復習をしっかりするためにも、メモは板書した事だけでなく、口頭説明も自分が先生の解説を再現する上で必要な事は必ずメモルようにしてください。
この3点をどれだけ丁寧にするかで学習効果が大きく変わってきます。身につけるために必要な問題数を5題にするか、それとも10題、20題、30題にするかは受講者次第です。現代文が伸び悩んでいる方や定着するまでに大量の問題や時間を必要としている方を見ていると、予習が雑、メモルのは先生が板書していることだけ、なにも見ずに白紙に解説を再現できるようにしていない、この三つに陥っていることが殆どです。そうならないためにもこれら注意点は必ず守ってください。

講座自体が全5回しかないので、国文法や文学史はどうしても扱いが薄くなってしまいます。したがって、志望校に出る場合は、各自便覧や問題集を活用しながら、しっかり対策するようにしてください。予備校に通っている方はサブテキストも活用してください。
講座の作り上、全部で5回しかないので、この講座で定着まで持っていくというよりは、指針を見せるという側面が強い講座になっています。そのため、多くの方はこの講座単体では定着まで持っていくのは厳しく、さらなる演習を必要とすると思います。ゆえに、志望校の過去問などを素材に、授業で学んだ内容を使う練習をプラスアルファで各自でするようにしてください。この時はなんとなく問題を解くのではなく、授業中に学んだ内容を意識的に取り出しながら練習するようにしてください。
加えて、繰り返しになりますが、共通テストに頻出の表現効果や心情説明が多くでる志望校を受ける方は、この講座だと扱いが薄くなってしまうので、共通テスト対策講座の方を受講してもらったほうがいいです。

与太話

英語や社会の勉強が忙しく、現代文の勉強(主に評論)を殆どしていないという方もいらっしゃると思います。そんな方には、木村哲也先生のはじめての入試現代文、はじめての次の入試現代文がオススメです。量も少なく、評論、小説、随筆といった文章ジャンルを題材に多彩な設問形式、記述が一通り扱われていて、私大受験に完全対応した参考書になっています。基本的に現代文は評論が出題されるのでしっかりと対策をしておいた方がいいです。現代文をなにも勉強していないという方は、講座にあわせて使ってみてください

さんざん感想的なものを述べてきましたが、結局は感想なので、どうしても感じ方に個人差が出てしまいます。したがって、この記事を見て即決するのではなく、必ず学研プライムのサイトで体験授業を受けて、その後に購入を検討してください。

受験生の参考になれば幸いです。

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