見出し画像

内向型の私たちには、「安藤望」が必要だ


はじめに:「バチェロレッテ」は「恋愛リアリティーショー」ではない

「恋愛リアリティーショー」なるものに対して人並み以上の嫌悪感を抱く私が、友人に勧められ続け、夢中になった「バチェロレッテ」の鑑賞を終えた。

ネタバレを含むが、このシリーズはバチェロレッテ福田萌子さんと参加男性杉田陽平さんの深い精神性(と、MC陣の「ズレ」)ゆえに、単なる安っぽい恋愛ゲームではない形で帰着している。

私が鑑賞後に真っ先に思い出したのが、これまたドラマを普段見ない私が夢中になって何度も観た「Nのために」であり、今回はそれに重ねて少し感想を綴ってみた。

私が「Nのために」の3度目の鑑賞後に残した感想と、これまた先述した友人に勧められて読んだ天才ブログ↓

を踏まえ、内向型、外向型の人間という側面から所感を残そうと思う。
※以下、「バチェロレッテ」と「Nのために」のネタバレを含みます。

「Nのために」における希美の選択


結論から言えば、内向型の人間が幸せになるためには、素直さを持った外向型の人間と一緒になることではないかと思う。

わたしの大好きなドラマに「Nのために」があるが、
超内向型であり他人に理解され難い過去を持つヒロイン希美ちゃんが最後に「ただ、一緒におる」相手として、超内向型であり「罪の共有」をした成瀬くんを選ぶことができたのは、希美ちゃんの将来が長くなかったからである。と思っている。

希美ちゃんは、自分と一緒になることで安藤の未来を暗いものにしたくなかったという側面もあるだろう。
でも、もし、彼女の人生がもっと長かったら、彼女は安藤と一緒になるべきだった。パートナーとして、きっと「結婚」という法的な契約を通したパートナーになるべきだったのだと思う。

安藤は、たしかに、希美ちゃんの過去を真の意味で「理解」するだけの想像力を持ち合わせていない。「罪の共有」も、よくわからないものだろう。
だからこそ「成瀬」という、希美ちゃんにとって「罪の共有」=「究極の愛」を交わした特別な存在に嫉妬もしたし、「究極の愛」とは何か、自分の希美に対する思いは「愛」ではないのかと苦悶したのだろう。
しかし、その苦悶こそ安藤が希美ちゃんに向ける「愛」であり、それは確かなものだったのだと思う。

人間同士、完全に「理解」しあうことなど不可能であるし、同程度の、同じ深度の「想像力」を持ち得ることも不可能だろう。
しかし、
①それに向き合う覚悟と素直さを持っていること、
②それを持つほどに、どこかで互いに惹かれあってること
こそが重要なのではないだろうか。

「バチェロレッテ」における萌子さんの選択:ソウルメイトと愛


バチェロレッテにおいて、萌子さんが「Nのために」の希美ちゃんだとすれば、杉ちゃんは成瀬くんだろう。
彼は萌子さんと同程度の、むしろそれ以上の想像力と繊細さを持った人物で、だからこそ2人はある種ソウルメイトのような関係になってしまった。

ソウルメイトに対して性愛的な恋愛感情を抱けるか否かというのは単純な問題ではなく、今回はそれが「無理」であった、ただその一言なのだろう。

ソウルメイトに対して、あまりにも深い愛おしさを抱いてしまうがために、そこに男女としての感情を持ち込みたくない、それをある種「禁忌化」してしまうという感覚は、同じ女性としてどこか分かるような気がしてならない。
同じような慈しみを萌子さんに対して抱いている杉ちゃんの感情が、明らかに男性から女性に抱く愛情であったことと対比すると、そう思えてしまうのだ。

しかし萌子さんは最後まで、その杉ちゃんへの大きすぎる「愛」が、もしかしたらパートナーとしての「愛」、恋人としてのまさに「真実の愛」なのではないか?と、最後まで自分に真摯に問い続けた。
だから、
「男として無理、生理的に無理ならもっと前に落とせよ」という(男性陣の)意見は至極的外れなものであり、彼女の葛藤はそんな低次元にない。

最終話、絵の最後の仕上げのためのモデルをする場面での彼女の涙。
これはやはり、この杉ちゃんへの澄み切った、そして何層にも重なった愛が、女性が男性に向けるものではないことを、というか、むしろそのようなカテゴリーに入れ、ある意味で「汚す」ことに対する嫌悪感にも近いものを確かに実感してしまった瞬間だったのではないかとも思う。
もしかしたらそれは、生物として子孫を産み出す側である女性ならではの本能なのかもしれない。

※黄さんは男性としては「アリ」であったが、それ以上でも以下でもなく、2人の間に愛はなかった。

萌子さんにとっての「安藤」がバチェロレッテの中にいるとするならばローズではないかと思う。
彼はずっと萌子さんを信じていたし、真の意味で「理解」出来なくても寄り添い続け、最後のアフタートークでも、彼だけが「理解」しようとすることをやめなかった。

内向型の私たち、僕たちには、きっと、「安藤望」が必要だ。

#バチェロレッテ
#Nのために
#福田萌子
#杉田陽平
#大学生
#感想
#内向型
#外向型
#繊細さん
#HSP