見出し画像

美容院に行った時の出来事

4年お世話になっている美容師さんがいる。
個人経営で、マンツーで対応してくれる。
私より8個くらい年上で
ビールは常温派、月曜日はファスティング。
話もおもしろく、感覚が合う。
この話ではヒゲ兄と呼ぶ。

--ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちょうど1ヶ月前くらい前。
いつものように美容院を予約して
伸びた分を切ってもらおうかなと考えながら
ふと鏡の前に立ってみる。

あれ?なんかつまらない。
というか、つまらなくなる予感がする。

基本的には髪型を変えず
伸びた分だけを切るスタイルで
ここ8年くらいは通している。
変えたいと思ったことはない。
だからこそ、この感覚が新鮮だった。

『金髪にしちゃおうかな』

画像1


私としてはだいぶトリッキーな選択。
1年前だったら、確実にそんな考えはない。

ただ、金髪にしよう!ではなく
あくまでも"金髪にしちゃおうかな"くらい。
いつでも金髪にできるからなと
誰にでもなく、自分の心の中で宣言している。

そんな思いを抱えながら美容院へ向かった。
ヒゲ兄が完熟スマイルで迎えてくれて
荷物とアウターをロッカーに入れ
鏡前の渋い赤色の椅子に座り
一息ついて、出た言葉は


『伸びた分切ってください』

やっぱそんな勇気無いよね。
金髪なんてね。

少しモヤモヤしながら
そのままシャンプー台に移動して
何気ない会話を二、三言した後に
金髪を考えてるという話をしてみた。
すると、ヒゲ兄が一言。

『オレも同じこと思ってたんだよ』


(えっなんか嬉しい!)


似合う似合わないとか
やってみればいいじゃんとか
安易に肯定する感じではなく
ただただ同じことを思っていた。

好みが合ったことが嬉しいのではなく
この感覚は自然な事だったのかという
安堵した気持ちが強かった。

コロナ禍で変化のない毎日が続く中
思考もここ一年間で大きく変わった。
これは自分でも分かる。

髪型、髪色を変えてみようという些細な事にも
変化を求める自分がいた事に
気づかされた出来事だった。

"前髪3cm切ったら見える世界が変わる"
という言葉を思い出した。
視覚的ではなく、思考の話。

来月金髪にしようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?