見出し画像

ボーナスで大きな買い物をしたくなるワケ

こんにちは、ラン丸(@sign45917948)です。

もうすぐ冬のボーナスが支給される時期ですよね。
公務員や一般企業社員への「冬の賞与支給日」にあたる2019年12月10日が多いのではないでしょうか。

新年を迎える前に家電など高額の商品を買おうと計画している人も多いのではないでしょうか。

なぜ私たちは、ボーナス等で、大きな買い物をすることには心理的な抵抗をあまり感じないのですかね。

大学で経済学を専攻していたこともあるので、今回は行動経済学の視点で解説します。

1)年末商戦は例年以上に消費が活発になる可能性も

ボーナスの支給されるシーズンがやってきましたね。いつもながら心がウキウキする時期だと思います。

2019年10月に消費税の引き上げがありましたが、増税後に大きく消費が落ち込んでいるということもなく、むしろ株式市場も順調に推移していることから、心理的には年末商戦も例年以上に活発になるかもしれません。

また、それに加えて今回は増税後の消費の落ち込みを防ぐ対策としてキャッシュレス決済によるポイント還元が行なわれたために、これも消費が順調になっている要因のように思われます。

経済全体で言えば、消費が拡大するのは良いことのようにみえますが、個人の財布事情を考えると調子に乗ってお金を使い過ぎることには注意しなければなりません。

特に、QRコード決済は、従来の交通系電子マネーと同様、お金を使うことに伴う、お金が出て行く実感”を得られにくいので、使い過ぎてしまう可能性はおおいにあります。

そういった無駄な浪費が重なることについては注意すべきだと思います。

さらにボーナスはもっとくせ者です。
中でも「衝動買い」は注意したいものです。

ボーナスでお財布事情が少し豊かになり、魅力的なセールをやっていれば、ついつい衝動買いをしてしまうのはある程度やむを得ないことでしょう。

割引のお得感だけではなく、モノの価値で判断することをオススメします。

2)人は買い物の判断基準を簡単に忘れてしまう

一般的に買い物の鉄則は、「良いか、悪いか」で考えるのではなく「必要か、不要か」で考えるべきだということがよく言われています。

確かにその通りで、「買おうかな」という意欲が出てきた時点で、「良い」と思っているからそう考えているわけです。

つまり、「良いか、悪いか」で考えれば、買った方が良いに決まっているのです。

冷静に考えるためにはその品物を買うことが必要かどうかで考えるべきなのですが、残念ながら、そこまで冷静に考えることができないのが普通の人間です。

だからこそ、衝動買いが発生してしまうのです。
特に家電製品や高額商品などについては、ボーナス時期は警戒が必要です。

今回は、心理学を使って買い物の判断する方法をご紹介します。

その心理学の内容は「メンタル・アカウンティング(心の会計)」といわれるものです。

本来、お金に関する収支の計算というものはトータルで考えていかなければ意味がありません。

しかし、人間は、心の中で勝手に会計勘定を作って利用目的別にお金を仕訳してしまうという傾向を持っています。

例えば、消費目的の勘定から支出するお金についてはあまり抵抗なく使ってしまうのに対して、資産形成を目的とする勘定から消費のためにお金を出すということについては大きな抵抗感を感じてしまうのです。

3)大きな買い物に抵抗がなくなる理由

では、具体的な例で考えてみましょう。
普通、サラリーマンの家庭が何か大きな買い物をするのは、どんな時でしょうか。

まとまったお金が入った時や、定期預金の満期やボーナスをもらった時のような臨時収入が思いつくでしょう。

冷蔵庫やテレビも買い替えを検討するようになってきたとします。

ところが、普段の生活で壊れて使えなくなってしまった場合を除けば、すぐに買うというケースはあまり多くはないと思います。

「ボーナスが出るまであと少しだからそれまで待った方がいいんじゃない?」という会話が聞こえてきそうですね。

つまり、ボーナスで大きなものを買うことに、多くの家庭では割と抵抗なく実行することができるのです。

この場合、メンタル・アカウンティングは、ボーナスというキャッシュを消費勘定と貯蓄勘定に分け、消費勘定から支出をすることになります。

4)ボーナスは全額を消費ではなく投資に回す

そこで発想を変えてみたらどうなるでしょうか。

一体どうするのかというと、ボーナスでは一切買い物をせずに、全額定期預金や投資に回してしまうのです。

「でも、ボーナスで買い物をしないのであれば、いつ買えばいいの?」と思われるかもしれませんが、答えは簡単です。

ボーナスは全額定期預金しておいて、それまでに持っていた別の定期預金を解約して買うのです。(配当金でも解約返戻金でも良いです。)

つまり、貯蓄勘定から引き出して消費するのです。

そうすることで、一体どんな感情が生まれてくるでしょうか。

心の中ではボーナスの一部を消費勘定に入れ、そこから出して消費するわけですから、それには何の心理的抵抗もありません。

ところが、ここで今まで持っていた定期預金を、それも満期が来ていないものを解約するとになると、それは貯蓄勘定から引き出して消費に回すことになるので、ワンクッション置くだけで、かなり心理的な抵抗感が大きくなります。

今まで、ボーナスが出たら当然のように買っていたモノが、「定期を解約してまで買う価値があるか」という新しい議論が生まれてくるのです。

そうすると「やっぱりもう少し待とうか」ということになるかもしれません。または、仮に買うにしても価格や性能をもっと事細かに調べなおしたりするはずです。

結果として「良いか、悪いか」ではなく「必要か、不要か」という論点で判断することができ、衝動的に無駄な買い物を防ぐ役割も出てきます。

「もし、実際に定期を解約するのなら、中途解約になるから損じゃないか」と考える人もいるでしょう。

しかし、今のような超低金利の時代であれば、普通預金も定期預金もほとんど利息に差はないので、中途解約して利息が大きく減るというデメリットはほとんどありません。

金利が気になりのであれば、ボーナスの一部を投資に回すのも検討すればいいでしょう。

とはいえ、「定期を解約する」のは、かなり心理的なハードルが大きいことです。

この心理的ハードルがまさにメンタル・アカウンティングを利用する一番の狙いです。

5)予算別の袋分け管理は効果が薄い

一方で、よく家計管理の方法として「袋分け」という手法を推奨することがあります。

袋分け管理とは、日常生活費を項目ごとに分け、その項目ごとのお金を物理的に袋に入れておくという手法です。

これも一見するとメンタル・アカウンティングのように思えますが、実は全く違います。

私は、この袋分けというのは支出抑制には繋がりにくいのではないかと考えています。

なぜなら、メンタル・アカウンティングというのは単に会計勘定を分ければ良いということではなく、分けた勘定に沿った使い方をするという心の習慣なのです。

袋分けというのは単に予算を見える化するという効果が期待されるのであって、それが支出を抑制するということにはつながりません。

袋分けした分は何の抵抗もなく、自由に使っても良いとなるため、ほとんど効果は得られないでしょう。

もちろん日頃からお金の使い方がルーズな人であれば、「予算の見える化」は効果はあると思いますが使い方までは改善しにくいでしょう。

ここは、人によって合う合わないがあるので、まずは、やってみるのも良いと思います。

まとめ

心の中の会計勘定の仕訳と、その使い方に新しい工夫をすることで、ごく自然に無駄な出費を抑えることは可能です。

まずは、大きな出費から見直すと効果が大きくなります。その次に、固定費の見直しをしてから浪費を削減することをオススメします。

食費を削って病気になれば無駄な出費が発生してしまいます。効果を実感しやすいのは、家賃やスマホなどの通信費などです。

日常の消費行動で、当然のようにしていることについて少し視点を変えるだけでお金を効率的に生かすことができるようになるかもしれません。

メンタル・アカウンティング=心の会計というのは、人間の心理を利用することでお金を増やすことも減らすこともあるのは知っておいたほうがいいですね。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?