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あのワクワクは、幻だったのかもしれない

ノラヤを閉店すると決め、ごくごく親しい常連さんや、運営をサポートしてくれていた方々にそれを伝え、大家さんにも電話しました。
お店をたたむという経験は初めてであるせいか。動悸やめまいがしたり、胃が痛くなったりしました。
そういえば、ノラヤを始めた時「怖い」という気持ちが襲ってきましたね。

あの時より私は5歳年をとり、心身ともにダメージに弱くなっています。これからどう不調が押し寄せて来るのか、それもある意味、怖いです。

しかし、正直に申し上げて、今現在は「ほっとしている」気持ちが、とても大きいです。

コワーキングスペース運営は、ずっと何かに追われています。
お金稼がなければ。工夫し続けなければ。進化し続けなければ。誰にもできないことを追い求めなければ。
そうだ、イベントをしよう。あれをしよう。これをしてみよう。企画してみよう。こういうのはどうかな。
そんな状態がずーっと続く。
おそらく、コワーキングスペース運営者だけでなく、自営業や、会社経営者、店舗経営者、皆そうだと思います。
そして、それを「ワクワクすること」「楽しいこと」「勤め人では得られない醍醐味」と思うでしょう。
私も、そう思っていました。

しかし、ノラヤを閉めると決めて、もうそれらをやらなくてよくなりました。
あー、もうイベント告知しなくていいんだ。あのめんどくさいイベント告知サイトや使えないクッソなFBイベントを立てなくていいんだ。
イベントの参加人数に、ドタキャンに、ハラハラしなくていいんだ。
収支計算して利益少なくて頭抱えたりしなくていいんだ。
Facebookに「オープンしました!今日は寒いですね」って心にもない言葉を飾って写真載せなくていいんだ。
(いや、まだ数ヶ月あるけど!)

あと、私、ノラヤの売上を公開してますよね。やっぱり売上って自分の努力やイベントが反映されてくるわけです。そういうの、楽しいと思ってたけど。

いや、もう、こういうのいいや。1万増えただの減っただの、そういうのから降りたい。

あー……楽な日々がやってくる!ありがてえ!

「閉める羽目になって悲しい、仙台での生き残り競争に負けた」よりも「やったー!」が勝るという。
この「ほっとした」感は、想定外でした。

思うに。自分は、自営業とか自分でビジネスを考えるとか、向いてないのに無理やりやっていたのかも。
そういうことをやっている立派な方々への憧れで。

コワーキングスペースに関わると、まず運営者のみなさんが立派だし、起業家界隈の人たちや大企業のすごい方々ともお知り合いになって、うわあ私も仲間になれるかな?っていう気になります。
なりたかったですよ。
でも、私自身は、器もないし、なにより、努力を楽しく感じられなかったようです。平凡な人間だったのですねぇ。

これからは本当のダメ人間になれそう。

ノラヤをクローズしてからは、ほぼ無職の日々です。自腹でスペースめぐりをしているので、支援いただけるとすごく嬉しいです!ドロップイン費用や交通費に活用させていただきます。