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コワーキングスペースを個人で運営するということ〜お金を払ってくださいが言えない〜

自分がコワーキングスペース運営者になってはじめてわかりました。
私は、子供の頃からはっきり物を言うことができません。大人になってちゃんと言えるようになったと思いました。

でも、できてなかったです。

コワーキングスペース運営者失格だと思いますが、「お金払ってください」と言えなかったことが何回かありました。

いずれも、昔からの知り合い相手に、です。

へえ、sato_kawaさんコワーキングスペースやってるんだ!行きたい!行く!そう言って来てくれる人がいます。ありがたいことです。
が、実際にいらっしゃった時に、はたと考え込むのです。

この人は、コワーキングスペースを利用しに来たのか。それとも、わたしに会いに来たのか。

私が仕事上必要で、打ち合わせにお招きするときは、もちろん利用料をいただきません。(中には、払うと言ってくださる方もいるのですけど)

でも、そうではなく向こうから「来ました」と言って来てくれた場合は、なしくずしに雑談にはいり、場所の説明や設立背景など喋っているうちに、払ってください、と言いづらくなってしまうのです。

「あの、おかね、ください……」

その一言が、言えない現象が起こる。

普段twitterなどではあんなに毎日のように、金くれ金くれ言っているのに(笑)

もし、個人運営ではなく複数のスタッフで運営している場所なら、迷うことは少ないのかもしれません。このスペースが「私のスペース」ではないのだから。

はっきり言えないのは知り合い相手だけではないです。

「ちょっと見せてください」
「ちょっとお話聞かせてください」

などなど、「ちょっと」という言葉で「お金払うほどでもないよね?」というアピールをされると、つい「ああ、いいですよ」と言ってしまいます。

まあ、最初だし、いいかな、とか。
いい管理人さんだと思われたほうがいいかな、とか。
これをきっかけに来てくれるかな、とか。
私もそう考えて、にこにこ、応対してしまいます。

でもやっぱりおかしいです。不公平です。自分から払ってくれる人からはお金もらって、そうじゃない人はそのままって。

そこで、来店の方に「利用のしかた」を手渡したり。(しっかり有料です!と強調して書いてます)

受付票を作って置いておいて、入り口すぐの目につくところに「ご記入ください」と置いて、なしくずしに雑談に入る前に「お手数ですが、こちら書いていただけます?」とすっと差し出し書いてもらうことでさりげなく「有料」をアピール。

そういう方法でなんとか、回避するようにしました。

先日も、予告もなにもなしに、「ちょっとお話を聞かせていただけないでしょうか」という方がいらっしゃいました。
「3時間までで500円です」と、おごそかに入り口で言うと
「えっ。ここはそういう場所ということですか」と、相手の方は困惑した様子でした。
「初めての方でしたら、特に電源やWifiなどの設備利用がない20分以内でしたら無料です」と申し上げると
「はい、そのぐらいで、ほんの10分くらいで」
と、おっしゃるので、入っていただきました。

2時間、いらっしゃいました。
無料のサードプレイスを作りたいので一緒にやりましょうと熱く語るので、私もつい、仕事がせまっているのに、色々自分の現状と現実を喋ってしまいました。

場所だけでなく、タダで情報を提供してしまって、こういうことしちゃいけないなぁとつくづく、思うのです。

いい顔をしたがる性格をなんとかしないと、何をやってもうまくいかないなと思います。わかってますけど。

ノラヤをクローズしてからは、ほぼ無職の日々です。自腹でスペースめぐりをしているので、支援いただけるとすごく嬉しいです!ドロップイン費用や交通費に活用させていただきます。