中編ミステリ『脳髄の檻に眠るのは誰』第7話
Burn the Witch
三枚ずつ左右に並んだ部屋扉の、右手側の中央のドアが半分ほど開いており、問題の少女が首を伸ばして室内を覗き見ている。
「西側の真ん中は、確か山田衿来さんが寝室に使っていた部屋でしたね」
警部補は困ったように息を吐いたが、〈北西〉は用済みとばかりにその場を離れ、真向かいの部屋の扉前に立った。
「そちらは」
「朔楽嬢の寝室」
一瞬の躊躇も見せずドアを押し、〈北西〉は室内に身を滑り込ませた。
少女を引き止めるつもりだった警部補も、いつの