ズボラな私は徳井さんを責めることができない


徳井さんの件を最初に知った時は、正直「徳井さん何してるの、、」と思ってしまった。しかし数時間後に行われた会見で徳井さん本人の言葉を聞いた私は、もう徳井さんを責めることができなかった。

まず初めに言っておきたいのは、私は徳井さんを擁護したいわけではない。ただ私は、徳井さんの下の名前「義実(よしみ)」が女の子っぽいという理由で幼少期にからかわれていてコンプレックスを抱いていたり、実は(よしみ)ではなく(よしざね)と読ませるつもりだったというような、ほかの人より徳井さんのエピソードを少し知っているだけのしがないファンである。昨日あたりからTwitter等で拡散され始めた「徳井さんだらしないエピソード」も全部知っていたわけであり、だからこそ会見を見たとき素直に「ああ、徳井さんらしいな」とうなづけてしまったのだ。だが今から書くのは徳井さんを擁護するのではなく、あくまで私が私のためだけに書く文章である。徳井さんが活動自粛してしまうことは非常に残念だが、この徳井さんの反省を無駄にしないためにも、私は私自身に警鐘を鳴らしたいと思う。


Twitterなどを見ていると多くの人が徳井さんの「明日やろう明日やろうと思ってズルズルと先延ばしにしてしまった」という部分に共感している。私もその一人だ。

夏休みの宿題は夏休み明けから始め、その間は忘れましたで通していたし、大学時代のレポート課題は期限の締切5分後に提出していた。

就活中、とあるエントリーシートをいつものごとく締切5分後に提出しに行ったら就職課に「社会に出たら許されないから」と断られたこともある。

図書館で本を借りると、たいてい借りただけで満足してしまい返却日が過ぎた頃にようやく読まなきゃなという気分になるが結局なかなか読まず、その後督促が来てやむを得ず返すというパターンがほとんどである(悪いとは思ってる)。

これまた大学時代の話になるが、卒業までにあと1度延滞があった場合は図書館の利用権を剥奪されていた。

今も会社の先輩に借りた本をかれこれ2ヶ月くらい手付かずのまま放置している。

私の場合、このように「大事なこと」や「期限内にやらなきゃいけないこと」ほど後回しにしてしまう傾向にある。そして、「面倒だから」と後回しにしたはずなのに、結果的により面倒な結末を迎えることが多い。世の中は私が思っている以上にバランス良くできているのである。


そんな私が徳井さんの例の会見を見て最初に抱いた感情は「怖い」であった。

恥ずかしながら、私はそういう税の話だとか法律の話だとかに滅法よわく、個人事業主は自らその辺の手続きを行わなければならないことを詳細には知らなかったからである。

私は大学を卒業してなんとなくとある企業に就職し、よくわからないがなんとなく会社を通して税金を納められている身であったため、そういった難しい話を自ら知ろうとも思わなかった。

もし会社勤めじゃない道を選んでいたら、知らないうちに徳井さんのように滞納してしまっていたかもしれない。「なんとかなるでしょ」と放置してしまっていたかもしれない。ブラックリストに載せられていたかもしれない。脱税の容疑をかけられてしまっていたかもしれない。

無知って危ないことなんだと、ようやく気づかされた。


実は私がここまで「お金」のことに関して危機感がないのは、銀行員である父の存在が影響しているように思う。

30年以上銀行に勤続している父は当然、私が苦手とするお金周りのことにとても詳しい。

私は今まで、何かお金関係でわからないことは全部父に任せることで解決してきてしまった。

だからである。とりあえずお金のことは父に任せとけば何とかなるという意識が根付いてしまっているゆえ、恐らく他の同世代の人よりもその辺の話に疎い。

完全に環境に甘えてきた結果、自分の納めている税金がどのくらい重要で、どのように使われているかもよくわからない情けない社会人になってしまった。

きっと今後も人生の節目にあたって何度も父に相談してしまうと思う。けれど、社会人として最低限の知識 ―有罪/無罪の境界― くらいは早急に身につけたいと思う。


最後に、徳井さんのファンとしてどうしても話しておきたいエピソードがある。

今年の5月に、チュートリアルは4年ぶりに単独ツアーを行った。

最終公演はパブリックビューイングが開催されるほどの大盛況に終わったのだが、下に載せるインタビューを読むと、ツアーの開催に至るまでにはひと悶着あったようだ。

https://www.oricon.co.jp/news/2135782/full/

要約すると、ツアーを提案したのは徳井さんなのに途中でやっぱりやめようかなと言い出したが、吉本がそれを許さなかったというやり取りがあったらしい。

このインタビューを読んだのはちょうど開演前だったので、私は少しだけショックを受けながら開演を迎えたのだが、ライブが始まった瞬間にそんな沈んだ気持ちは掻っ攫われてしまった。

1本目から30分尺の濃厚な漫才を見せられ、その後もコントと漫才と演目の間に流れるブリッジまでも最初から最後まで会場は湧きっぱなしだった。

インタビューではあえてハードルを下げるためにあんなことを言ったのではないかと疑ってしまうほどに。

でもきっと「やめとこかな」と言ったのは事実で、同時に、多忙な中で観客が2時間笑い続けられるネタをつくって予定通りツアーを開催してくれたのも事実。

私はそういう徳井さんのファン思いなところだったり、お笑いに対するプライドを高く持っているところが昔から変わらず好きで好きでたまらない。


無知な私は正直、徳井さんのしたことはどのくらい反省しなければならないことなのかよくわからない。

けれど、1日でも早くまたテレビの中の徳井さんに会えたらいいなと願っている。

世の中はきっと私が思っているよりバランス良くできていることを信じて。


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