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やりたいことで夢を叶えるという呪い


週に1回noteを更新する #週1note という企画を友人がしていて、参加することにしました。毎週月曜日に更新します。お手柔らかに、よろしくお願いします。

やりたいことをやるのが正義だとか、夢を叶える事こそが人生だとか、そういう言葉が呪いのように感じることってありませんか。
やりたいことで夢を叶える=フリーランス という働き方が憧れの対象になっているような気がするけれど、果たしてそれがすべてなのでしょうか。

わたしは今、フリーランスと同じような立ち位置にいると思いますが、「いいな〜」と言われることに少しの違和感を感じます。
会社でお金を稼いでオフの時間にやりたいことができるのも、いいことだと思います。会社で自分のやりたいことを実現できるなら、それもいいと思います。わたしはそのどちらもやってみた結果、タイミングも重なって、独立することを選びました。説得力がないって思われると思いますが、自分のやりたいこと=すき を仕事にすることはとてもしあわせだけれど、しあわせってそれだけではない気がする。すきなことを仕事にしているひとはキラキラとして見えるけれど、仕事でなくてもすきなことをしているひとはキラキラしていると思います。コレ!と言語化することができなくても、日常のことでもいいんです。自分のすきなものをすきだと言えますように。

働きながら、オフの時間にやりたいことをやってみた

社員食堂で管理栄養士として勤めていた時、ご縁があってシェアアトリエに所属していた。そこで月に1回、カフェを開くことにさせてもらった。毎月のテーマを決めて、相方さんに内装をガラッと変えてもらい、テーマに合わせた料理を作っていた。社員食堂での仕事は、責任もあり、信頼もされていて、やりがいのある仕事だった。でも、オフの時間に月1カフェを始めると、それが楽しくなってしまって。仕事は効率よく片付け、カフェのことを考える時間が増えていった。結果、毎日これをやりたいと思っていることに気づいてしまったので、カフェで働ける会社に転職した。働きながらやりたいことをできたので、生活はとても安定していたし、時間も作りやすかったので趣味としてやることがしあわせなら、とても理想的な暮らしだったと思う。

やりたいことが仕事になる会社に務めてみた

会社という組織の中にいてカフェで働けるというなんともありがたい会社に巡り合った。引越しのために貯金も使ったし、お給料も下がったし、友達とも遊ぶ回数が減ったけど、毎日の仕事がとても楽しくてしあわせだった。料理を作ることを仕事にすることに対してプレッシャーとかいろいろあったけど、価値を作らなくては自分が食べていけないと思うと、必死だった。オフの時間も仕事のことを考えていたが全然苦じゃなかった。料理をすることがすきだったから。

いつだったか、将来は自分のお店がしたいと先輩に言ったことがある。その時に「本当に自分のお店がしたいのか、それとも将来ずっと料理を作っていきたいのか」と聞かれた。料理を作ることの最高峰がお店をすることだと思っていたので、料理を作り続けること自体に喜びがあるという選択肢は知らなかった。カフェでは、好きな料理やお菓子を作っていいと言われていて、とても自由にさせてくれた。本当にありがたいことだと思う。ここでならずっと料理を作り続けられるとも思った。それでもやっぱり、お店がしたいという気持ちは消えなかった。小さい頃の夢は、かわいいケーキやさんになることだった。その頃の夢を引きずっていたのかもしれない。夢は口にすれば叶う、と聞いたからずっと口にしていた。その言葉の呪いだったのかもしれない。でも、自分の居場所がどうしても欲しかった。だからお店をすることにした。その場所でわたしが提供できるものがごはんとお菓子と時間だったということになる。

そして今、偶然か必然か、ご縁があって独立してカフェを始めることになった

今は今で、働く時間は長くなったし、全然裕福じゃないし、周りの人に甘えてばっかりだけど、やっぱり楽しいです。夢を叶えていてすごいね、と言われるけど、全然そんなことはない。自分が満足するにはその道しかなかっただけだと思う。

社会に出て働き始めて7年目、今はこうして独立して働いていますが、いつだって楽しかったと思っています。それぞれに良いところも悪いところもある。けど、その感じ方は自分次第。自分が本当に欲しいものを考えるきっかけになれば嬉しいです。すきなものをすきだと言える、輝ける場所がきっとあるはず。


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