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満月が透明になる頃

バイト終わり、満月が雲隠れをしている。
さっきまで、雲一つない空で自己主張していたというのに。

輝いていた、輝いていたよ。実に、綺麗だった。
だのにキミは言うんだ。


「もう光を放つリユウを失くしてしまったんだ」


確かにキミは煌めいていたじゃないか。煌めくモノを持っているじゃないか。

そんな価値のあるカケラを引っ提げておいて隠れるなんて身勝手だ。存分に発揮してやればいいじゃないか。キミが否定する君自身の「光」とやらを。

僕は、羨ましくてしょうがないんだ。

なんなら“ソレ”をくれよ。僕が代用してやるよ。
キミの「リユウ」なんて、僕がなってやる。

。。

あぁ、透明になるんだ。
散々透かされてきたと思っていたのに、僕自身が一番「見えて」いなかった。

右腕からだんだんと透明になっていって。しまいには宇宙に溶け込んで、ただただ彷徨うのだ。

ジブンの末路なんて考えたくない。嫌だ。死ぬより怖い。

悪い夢だ。そう、信じたい。


僕は生き長らえる為に、またも“僕”を殺したんだ。





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□<アリガ糖
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言ノ葉絵描き/雑種創作家|絵やマンガを描いたり、詩や文章を書いたりしています|現在進行中の作品:日常8コママンガ「灯火暮らし」

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