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悲しみは消えなくても



父が亡くなってからもう5年が経とうとしている


あの日のことは今でも鮮明に覚えている


通夜の日から数日泣き続け、父の骨がある和室に寝転がり一日中ぼーっとしている

時間の感覚もなくなり、気がついたらカラフルな縦のストライプ模様が映っているテレビの画面をもう何回も観た


それからの日々はひとりの時間はもちろん、

外に出ても"お父さん"というワード、関連する言葉や思い出す風景に触れただけで涙が出てくる



こんな日々が3年続いたときに、

『大切な人を失ったり、他にもみんなそれぞれ色んな悲しみを背負って生きている人は沢山いるはずなのに、こんなにも悲しみから抜け出せないのはわたしがおかしいのかな?』

と、不安になったことがある


さらには父の死より少し前に、人間関係でとても傷ついたことがあり、その傷も何年経っても消えないことにも苦しんでいた

自分が人より傷つきやすいのかな?
深い傷はいつ癒えるのか?
傷ついたことを消せることなんてできるのか?
"時間が解決してくれる"ってどれくらいの時間がかかるの?

自分の中で全く違う大きな悲しみが重なり、この苦しさを言葉で伝えるのはとても難しくて、誰かに相談することもできず答えがないことが更に苦しくさせた



大切な人の死が与える喪失感は想像以上に大きくて、深く深く傷ついた出来事はその後何年も何年も涙を止めてはくれない


それでも今こうやって、生きていたおかげでそれを上回る嬉しい出来事を経験することがある

ひとりであれだけ一生懸命考えても分からなかったことは、自分の性格や特性と向き合い、知識やふと手に取った本や誰かの文章を読むことで救われることもあった

 


今のところ、悲しい出来事や思いは消えてはいないけれど、『"消えない"ことはしょうがない』『だって、それだけ悲しかったんだよね』と、受け入れることができたおかげで途端数年前よりずっと楽になった



今でも心細くなると、父に無性に逢いたくなる


「あ、泣いてしまう」

と心臓も全身もぎゅっと力が入る


そんなときは我慢せず、しっかり父のことを思い出し、思い出の曲をかけたり、写真を引っ張り出したりして、自らもっともっと悲しくなる環境を整えて、思いっきり泣いてみる


そうして少しずつ少しずつ悲しみと共に生きていけたらそれで良い


だから大丈夫だよ、とあの頃の自分に教えてあげたい

初心者ですが、これからの活動費にさせて頂けたら嬉しいです。最後まで読んでくださって有難うございました!