消したい過去を、父の棺桶に入れた


”消したい過去を、父の棺桶に入れた"


これは何の比喩でもなく本当に言葉のまま、葬式の日にわたしがとった行動






傷ついたことを、打ち明けられなかった


”助けてほしい”という一言が だれにも言えなかった





父が亡くなったとき


家族にも打ち明けられなかった”深く傷つけられたこと”


トラウマとなった”その他人”が”元友人”だったときに撮った様々な写真


”消えてくれ”と毎日毎日願った記憶に関連する写真、そのアルバムを

棺桶にそっと入れた



”おかしい人”と思われてもしょうがないだろう


わたしにとっては考えた結果の行動なんだけども、現実には理解され難いことの方が多かった




分からなくても良いけど、わたしは本気だった




写真も焼いてもらって、天国にいった父にこの世から離れたところで

一緒にこのモヤモヤや苦しみからもわたしを解き放ってほしいと思ったから




親の葬式でそんな奇行に走るなんて

事情も話せないわたしはやっぱり”変わった子”として母や姉にとても怒られた


その展開も含めて分かり切っていたことであったが、それでも理由を話すことはハードルが高すぎて、こんなことでしか自分を救う方法が思いつかなかったし

現に”どうかしていた”から、写真を棺桶に入れた





お父さんなら、分かってくれるんじゃないかなと思ったから

”もうそんなバカみたいなことで悩むなよ” って

”傷ついたことも全部、ついでにあの世に持っていってやるからもう心配すんなよ”

って。




とは言え、さっと棺桶に忍び込ませた写真たちは母たちに叱られたあとすぐさま回収され、

そんなわたしの神頼みならぬ”(亡くなった)父頼み”作戦もあっけらかんと失敗に終わった






父が亡くなって、4年が経とうとしている




安らかに眠るための棺桶に、わたしの”消したいもの”を勝手に入れてごめんね



やっぱりお父さんが天国にいくまでの清らかな空間の中に、

わたしが苦しかった思いを添えなくて良かった


本当に良かったと思っているよ


"他人”のせいで深い傷を負ったけれど、

”他人”の優しさで胸がいっぱいになり涙があふれる日々があることも知った



忘れたいことばかりだった毎日も、いつの間にか

”忘れたくないな”と思う気持ちや思い出も増えた




最後まで甘えた娘でごめんね、どうか笑ってゆるしてね



初心者ですが、これからの活動費にさせて頂けたら嬉しいです。最後まで読んでくださって有難うございました!