心が弱った時、助けてくれたマンガ5選についての話
0.はじめに
今日は、文字や絵が目に痛くないくらいまで回復した時に、助けになった漫画を、わたくし個人の内面とともに、ご紹介したいと思います。
※著者名敬称略
漫画の内容を語るだけでは、なぜ癒されるかについての説明が不足します。
私の何か欠けた部分にそっとハマる何かがあったか、かけた部分をそのままでいいと肯定してくれたとか、そんなホッとする何かがあった作品たちです。
なので、誰かにはフィットしない。
でも誰かにはフィットするかもしれない。そんな気持ちで書かせていただきました。
本当は、もっとたくさん助けになった作品がありますが、ぎゅぎゅっとコンパクトに詰めようと思いましたので、5作品を選び抜きました。
もし、[名前だけ知っていて読んだことがないという作品があった方は、ぜひ試してみて欲しいです。
1.プリンセスメゾン(池辺葵著)
人と体を寄せることが苦手な私にとって、誰かと生活を組み立てることは難しかったです。
普段は楽しくできても、一緒にいる人が苦しい時、私は支えになれず、同じく苦しんで共倒れしてしまうのです。
誰かがいる安心感よりも、誰かがいることによってもたらされる不安が大きく、いまだ誰かと寄り添うことができないでいます。
ひとりで夜を(日々を、人生を)過ごすこと、その女性のすがたが描かれたこの漫画は、静けさと、穏やかな前向きさに、とても癒されました。
寂しさも込みで、それでもいいんだと、控えめに奮い立つことができます。
そして、追い出されない、帰る家が欲しいなぁ、と少し切なくなります。
独りのおばあさんが、不動産屋さんで、次に住める家が見つからず困っている場面がちらりと描かれます。
人間一人が、住処を得ることというのは、当たり前ではなく、途方のないことのように思えてきます。家があるということは、それだけで幸福なのかもしれません。
家と場所のために、そんなもののために借金して働くのか、と問われれば、そうかもしれません。
「そんなもの」がない今の私は、不安な海を漂っているみたいです。
私の人生の課題は、おそらく、居場所や家、というものに帰結すると直感するのです。アドレスホッピングな生き方にしても、根を張るにしてもです。
だから、この物語が癒しにも悲しみにもなるのかもしれません。
いつか、作中のセリフも引用させてもらいながら、感想記事を書こうと思います。
2.おづまりこさんのコミックエッセイ
誰かが淡々と生活を営んでいる姿は、たとえ華美でなくとも、他者に勇気を与えるようです。
自分の生活を見直し、自分にできるところから整えていく過程を見ることができて、よし、よりよく生きよう、と前を向けます。
また、特別な食材や特別な調理法ではないけど、季節の野菜を使ったささやかな料理のレシピは、季節の移り変わりを楽しみたくなります。
私はストレスが溜まると、コンビニや、成城石井やデパ地下などで、高級食材をあほほど買い込んでしまう癖があります。日頃どんなに節約をしても、この一回で弾けて戻らないのです。
しかし、おづまりこさんは、自分がご機嫌になるものは何か、よく突き詰めているように見えます。家計簿や記録づけで、見えてきたのかもしれません。程よく息抜きご褒美をご自身に与えていらっしゃいます。
果たして私も、「買う」こと自体でなく、その目的を見つめたいです。日々の生活に疲れた時、心落ち着かせてくれるお話として、繰り返し読んでいます。
貼り付けた作品以外にも本を出されています。どれもおすすめです。
ブログも、更新は終わってしまいましたがおすすめです。
3.ぐうたら山暮らし(松井 雪子著)
私の故郷は、山というよりは里山であり、電車もあるし国道もある、雪も降らないごく普通の日本の田舎といった風情です。
しかし、頭の中には、そこではないどこか綺麗な山里が故郷としてプリセットされているのです。
つくづく、都会や街での生活が肌に合わないなと思う時、この本を読むと、心の故郷に帰ったような気持ちになります。
山の生き物のお話や、温泉のくだりでは、ニマニマしてしまうくらい、気持ちよさそうで素敵な描写です。
自然が多い場所は、苦労が絶えないでしょう。それがわかっていても、いつか頭の中にある故郷に住みつけたらと思って読んでいます。
私の頭の中の故郷は、山でもあるけど、海でもあるんですよね。どうやら、海でとれた魚を楽しみながらも、畑で野菜やハーブを育てて、山の木で薪やなんやらを調達しているみたいです。
いつ、そこに至るのかな?
4.イシヤマアズサさんのコミックエッセイ
イシヤマアズサさんの絵がとっても素敵です。食べ物の絵は、湯気が立つような温かな温度感、子どもの頃のイラストは、土や汗のにおいを思い出すようです。
ご飯を食べることは楽しいことなんだよなあ、と思い出させてくれます。
家族にまつわるご飯のエピソードが豊富で、まるで自分の過去のように錯覚してしまう。
元気になったらこれを作ろう、と思いながら、布団にくるまって読むと、健やかな気持ちになります。
5.服を着るならこんなふうに
なんとここで、アパレルマンガ(?)がランクイン。
心身が疲れている時に、服なんて考えたくもないし見たくもない…と思うかもしれません。(実際、自分も底にいる時は読めない。)
しかし、あなどるなかれです。この物語に出てくる服を楽しむ人々は、みなさん、とーーっても素敵な方ばかり。優しい世界なんです。
特に、主人公と、その妹の2人のキャラクターがナチュラルでいい子で、とても好き!
初期は、働き盛りの男性のファッション理論に重点が置かれていますが、だんだん、ファッションにまつわる心理にも踏み込んでいきます。
この漫画は、全巻通して一貫して、衣食住の衣を、「楽しもう!」というメッセージを発信しているのだと考えています。そのプラスのエネルギーに、生きる力をもらえるのです。
ファッション認知の歪みをとるような、セラピー的に楽しむこともできるのではないでしょうか。
そして最近は、シルバー世代のファッション、おじさんファッションにも踏み込んでいっているので、世界は愛に溢れてる…と涙ながらにホッコリ癒されながら読んでいます。
まとめ
今回の5選の本は、繰り返し何度も読んでいます。
本は、こうして何度も読めて、何度も心を支えてくれて、本当にすごいな、助けられているな、と思っています。
ワールドワイドウェブの片隅に、こうして感謝の気持ちを記しつつ、記事を終わりにいたします。