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7月6日~7月12日までで読んだ本と、見た映画!!
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7月6日~7月12日までで読んだ本と、見た映画!!

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田園に水色の空が映りだし、空と大地が一体化し始める今日この頃。皆さん、どのようにお過ごしでしょうか。

今週は雨やら風やら雷が強く、かと思ったらいきなり快晴になったりと天気に翻弄された一週間でした。

早く梅雨明けしてくれぃ!(切望)

それでは、7月6日~7月12日までで、読んだ本、映画について一言ずつ感想を書きながら紹介していきたいと思います。


本篇


ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2

著者:東浩紀

 『動物化するポストモダンーオタクから見た日本社会』において東浩紀は、物語消費からデータベース消費への移行を描き、欲求に従順な「動物化」の時代が到来していることを指摘した。その本のパート2があるということなので、読んでみた!
この本はそうした「動物化」の時代において発展してきたライトノベルと美少女ゲームの文学としての可能性を描いている。正直、ライトノベルも美少女ゲームも触れてこなかったので、最初の段階で読むのをやめようかと思ったが、興味深い論考の数々に引き付けられてしまった!!
 いわくライトノベルはポストモダンの産物であるためアニメや漫画のリアリズムに依拠しているらしい。そしてそれはいままでの自然主義的な写生と異なる「不透明な」表現を可能とし、近代文学とは異なる地平を切り開いているという。正直、自分で要約していてよく分かっていない部分も多いのでまた今度読み直してゆっくり血肉としていきたいと思う。
 またポストモダンの時代における批評は、環境分析的読解の下行われる必要があるという指摘もかなりためになった。作家が語ったことを解釈するのではなく作品を作家の意図から切り離し作品と環境の相互作用を吟味し、無意識の作用を分析するという手法は今後色々な作品を見る上で欠かせないものになっていくだろう。
 圧倒的な論理性とコンテンツを超えた射程の広さに驚かされるばかりだ……もっと勉強したくなる良い本でした!!


セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史

著者:前島賢

 セカイ系という言葉をよく見かける。どうやらエヴァ的なコンテンツのことを意味しているらしいがピンとこない。本書はセカイ系という言葉の意味をコンテンツの歴史とこの言葉を巡る論争を紐解くことで確認していくという内容になっている。
当初は単にエヴァっぽい作品を指す言葉だったのが、批評の対象になっていくことで意味が変化し、その変化した意味を元にした作品が作られていくという中々捻じれた歴史を持っている。最初は2002年にぷるにえというブロガーが発祥のエヴァっぽい1人語りが激しい作品を指す言葉だった。それが2004年に「社会を排除して個人の問題と世界の問題が直結する」作品という意味が与えられ、ゼロ年代後半になって広く日本社会を分析するために用いるようになっていく。東浩紀やら宇野常寛らに用いられ論争が起こったり、宮台真司が1995年以降の日本社会を論ずる時に使っていたりとかなり定着し、広く認知されるようになった。言葉を1つ追いかけるだけで様々な歴史や構造が見えてきてとても面白い本だった。
 セカイ系と呼ばれる作品、エヴァや「ほしのこえ」は見たが、他の代表作とされている「最終兵器彼女」や「イリヤの空、UFOの夏」などは見たことがないので今、あえて、見てみるのも楽しいかもしれない。ゼロ年代は生まれてはいるが正直社会の事とかに関心もなくぼーっと生きていたので時代の空気を感じられるいいきっかけかもしれない!!


知能化戦争 中国軍人が観る「人に優しい」新たな戦争

 昨今、中国の経済成長と軍事的拡張は目覚ましい。アメリカなどは中国の存在を脅威とみなし、貿易戦争をしかけたり、定期的に軍事演習をしたりと東アジアにおける影響力を保とうとしている。
 そんな情勢の中、本書は衝撃的な本だ。AI兵器の開発が進み、実践に投入され、戦争は「知能化」の時代に突入したと指摘する。AI兵器の投入による「人が死なない」戦争、ピラミッド型の軍隊組織の水平化、3Dプリンターによる後方部隊と前線部隊との関係の変化、1人の兵士が数十ものAI兵器を操作し、コストが大幅にダウンするという予測などなど、目から鱗の戦争の「シン常態」が本書には詳らかに書かれている。
 正直、AIには興味などなく、たかだか人類に将棋や囲碁で勝ったからって調子に乗るな!!人類なめるな!!と思っていたが、AIの導入によるインパクトは想像を絶していた。特に、4章に書かれていた「死傷者ゼロ」が戦場において達成される可能性を示したところが色んな意味でぶっ飛んでいる。AI兵器は戦争のコストを下げ、死傷者を減らし、戦争の政治的コストを大幅に低下させる。その結果、核の傘によって防がれていた大国同士の限定戦争があり得るかもしれない……まるでゲーム実況を見るが如く、AI兵器同士の戦争を観賞する時代に突入するかもね!!限定戦争といえ、戦争に変わりはないのだからエスカレートすれば最悪、核兵器を用いる戦闘に突入するかもしれないじゃないか……もう怖すぎて夜も眠れんわ!!安眠求ム。
人類の未来は明るいのか暗いのか……そもそもいい加減戦争止めようぜ!!ラブ&ピースだろ!!愛と平和と文化を享受しようよヒューマン!と思ってしまう今日この頃。AIが全部キズナアイちゃんになることを切に願う。


映画編


万引き家族

 万引きで生計を立てるとある家族が虐待にあっている一人の少女を拾う。決して豊かとは言えない生活だが、そこにはいつも笑顔があった……メディアが取り上げないもう一つの日本がそこにはある!!

 何となくレンタルビデオ屋で目に留まり借りてきた。そういえばちょっと前に話題になってたよなぁ…と軽い気持ちで観賞したのだが涙腺を刺激してくる傑作だった!!ちくしょう!何でもっと早く観なかったんだ!
 寄る辺ない人たちが集まって万引きしながら疑似家族を作って暮らしている。血のつながった本当の家族ではないが、肩を寄せ合い強かに生きる姿は色々なことを考えさえる。血のつながりを重視する世間の家族と違い絆で結ばれた姿は理想的だが、本作ではその理想の儚さもまた描いている。家族とはかくあるべしという固定概念を揺さぶってくれる。
 そして、裏でちらちら見え隠れする日本社会の暗部も示唆に富む。中々明らかにされない虐待問題、仕事で怪我をしたのにもかかわらず労災が下りないという労働問題、表面的な報道に終始するマスコミ、見捨てられた高齢者、アウトソーシングの結果、空疎化していった家庭の機能などなど。あらゆる問題が2時間に凝縮されている。
 特に観てほしいのが、安藤サクラさんの演技である。偽物でありながらも母親として愛を注ぐ姿は胸を打つ。画面の向こうに本当にリアルな人間がいるような気がして食い入るように観てしまった……
ともかく「泣ける良い映画」でした、などとは言わない!!泣いてスッキリ明日から仕事頑張ろう!などと消費してしまうのはクリエイターに失礼だ。自分のことと引き付けて考えていかなければいけないと思う。

アキレスと亀

 売れない画家真知寿(マチス)とそのパートナー幸子の生活を描いた作品。マチスの人生を少年・青年・中年時代から定点観測している。

 実は結構大学に来てから北野映画を楽しく鑑賞していたのだが、「アキレスと亀」はまだ見ていなかった。危険な匂いのするバイオレンスな北野作品を優先的に見ていたので後回しにしてしまっていた。
 見終わった最初の感想としては、そこで終わるの!?というものだった。てっきり主人公のマチスが非業な死を遂げるものだとばっかり思っていたので……
 この作品は、北野武の監督人生がかなり反映されているように思う。例えば、マチスの絵は全然売れていないとされているのだが、所々色々な場所でマチスの絵が飾られている場面が映し出される。画商が中間搾取しているというのが間接的に描かれている。北野武もプロデューサーと一悶着あったから暗に批判していたのかもしれない……
 見所はマチスと幸子の行く末だろう。売れない画家1人で食べていくことはできず、お金の面でも妻に頼り、作品作りでも妻が欠かせない状況。タイトルにある「アキレス」は「亀」に到達することはできるのか。その意味するところは何か。などなど考えると面白い!!
 北野作品は結構好みなのでまだ見ていない作品をガンガン見ていきたいと思う!!自分の祖父にちょっとだけ似ていて好きなんだよね……勿論、作品の雰囲気も好き!!


さらば箱舟

 とある村の掟を破った夫婦の物語。だいぶざっくりとしてるけど、この作品要約ムズイ!!なんてったって内容が意味不明すぎるから!!

 寺山修司監督の遺作となった映画。「田園に死す」とか「書を捨てよ町に出よう」などを見てきて中々印象深い作品だったから、借りてきたのだが…意味が分からないよ(血涙)!!
相変わらずのモチーフの多用と特異な演出で度肝を抜くのだが、何よりバリバリのネイティブ鹿児島弁で台詞が全然聞き取れないという衝撃。断片的に聞こえるワードを拾って何となく予想しながら観るというスタイルで脳神経の活性化が図られた!
 内容としては村の近代化を描いていると思われる。何度も出てくる「時計」がこの作品の肝だろう。時計は近代の象徴だ。かつて今の形の時計は存在せず、時間の流れは春夏秋冬で循環するものだった。西洋の型の時計が導入されるのは明治以降であり、時間の流れは直線的になる。劇中で村の各々の家の時計が盗まれ、時計が1つだけ残されたというシーンがある。これはそれぞれ流れていた家庭の時間が近代化によって単一化する過程を描いていると思われる。こういうのを映像で魅せてくれるから憎いね!!まぁ考察があってるか分からないけど……
 また、印象的だったのが、途中、主人公が頭がおかしくなりあらゆるものに名前を書いた紙を貼っていくシーンである。言葉や概念に囚われ、世界を身体でありのまま感じるという東洋的な姿勢が失われていることを表しているように思える。いやこれは考えすぎかもしれない……
 脳みその動きを中々止めてくれない良い映画でした!!一回見たら忘れられない迫力ある画と難解が故に何度でも見たくなるストーリーは寺山修司にしか出せない味なのでしょう!オススメです!!


おわりに


今週のコンテンツ紹介ようやくここまで書き終わった!!

いつも以上に紹介・感想の文章が長くなり全然簡潔ではないが、まあいいや!!ダラダラと書いて申し訳ない!

最近、文章を書くのが辛くなっていた……持病である「怠け病」と「完璧主義疾患」が併発しまして……

せっかく楽しいコンテンツの数々を見てきているのだから、文章も楽しく自由に書いていきたい!!

やるっきゃない!頑張ろう!

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おはよう!こんにちは!こんばんは! 現役大学生のKAIです! 漫画、アニメ、本の感想を中心に上げていきたいと思います。 よろしくお願いします。