あおもり犬のこと。
◯です。
つい最近、昔の小さな夢を実現しました。
その小さな夢とは、
函館から船で青森に行き、青森県立美術館にいる《あおもり犬》に会いにいく一人旅
でした。
《あおもり犬》とは、奈良美智が制作したおおきなおおきな立体作品です。
何故このおおきないぬに会いに行こうと思ったのか。
当時ぼくはbloodthirsty butchersというバンドが好きでした。JACK NICOLSONという曲の切ないpvと切ないアウトロは今でもお気に入りです。
そんなbloodthirsty butchersのアルバムのジャケットを、奈良美智が手がけていました。
暖かい絵を描く人だなあと思って作品を調べてみていたら、《あおもり犬》を見つけたのです。
その時、見たいとは思わず
会いたい。
って思いました。それが始まりです。
そしてようやく時間ができたので、会いに行こうと思い立ち、行動に移しました。
ついでに船で北海道と青森を渡る夢も叶えるために、函館に降り立ち、旅をはじめたわけです。
函館では、着いて早々に函館市熱帯植物園、函館美術館、函館市北洋資料館、函館市中央図書館を巡り、あおもり犬と対話するための感性を研ぎ澄ましました。
特に函館美術館においては、面白い鑑賞の在り方を推していたので、これはまた後日noteで紹介しようと思います。もう少しお待ちください。
夜は北海道のおいしいものをたらふくたべ、夜中にフェリーで函館を後にしました。
そして青森に着いたのが朝4時。豪雪の中、フェリーターミナルから青森駅まで歩きました。
無謀かもしれないけれど、ぼくは歩くのが好きなのです。まだ暗い、静かな銀世界は歩いててとても落ち着きます。機会があれば是非。
そして青森市中心部に着いたら、朝市で朝食を済ませ、ついにあおもり犬の待つ青森県立美術館を目指します。
旅のゴールは、真っ白な銀世界に同化し、静かに佇んでいました。
その場所でぼくはついに《あおもり犬》と出会ったわけです。
会いたいという衝動に駆られ、来てしまった。
こんにちは。はじめまして。元気?
って自然と感じた。こんにちはって返された気がした。
雪の帽子をかぶったおおきなおおきな犬は、冷たい空間に確かに暖かさを出していました。
あおもり犬の正面には、あおもり犬が主人公の絵本が置いてあって、それを読みながら静かな時間をあおもり犬と共に過ごしました。
平日で人があまりおらず、時間を忘れ一緒に過ごすことができました。とても満足です。
最後にまた来るねって言って、バイバイと別れを告げました。
…この後、三内丸山遺跡とか巡ったのですが、あおもり犬がゴールなので旅のおはなしはこれくらいにしておきます。
あおもり犬との出会いは、ぼくの忘れない思い出のひとつです。
遠くの地で美術館に入って、お気に入りの作品と巡り合うことはよくありましたが、ひとつの作品を目当てに、はるばる旅に出たのは初めてでした。
だいたい千円くらいで入れる美術館に、何万もかけて行ったことに、後悔は全くありません。
だって、あおもり犬と会えたから。
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