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【血の粥】誰も知らない吸血鬼(24)

ジャはおもむろに立ち上がると、笑いが止まらなかった。まわりから悟られるほど、彼女はエコーを心から求めていた。それを失った悲しみに打ちひしがれ、命と引き換えに誰も知らない吸血鬼に変身。言葉は失ったが勘は冴え渡る。前歯の両隣に隆起した尖った牙がめきめきと生えた、憎悪が湧いた。コバートへの怨念が止まらない。エコーを殺したのはコバートだと、ジャの心に棲みついた憎しみが叫ぶ。ジャはその後、吸血鬼の高速移動で住居へ戻った。もちろん目撃者はいない。それからジャは甕棺に閉じこもって寝る生活を。しかも、打ち固められた土の部屋ではなく、家畜や農業用に土が貯めてある土屋で暮らした。当然、そこは土だらけ。彼女を哀れむ者は多くいたが、怪しむ者は誰もいなかった。ジャは牙も青い目も隠していたから吸血鬼になったことを誰も知らなかった。吸血鬼は最強。唯一の弱点である聖言を唱えられたら粉々に即死するから、誰にも教えはしない。

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