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2021年8月の記事一覧
不競法2条1項5号 不正取得者からの転得
本号は、不競法2条1項4号の営業秘密の不正取得が行われた後の話です。
本号では、不競法2条1項4号で営業秘密の不正取得が行った者から、故意または重過失による営業秘密の取得、使用、開示が不正競争として規定されています。
具体例は、転職前に会社の機密情報を盗み出した従業員から、転職先の会社が盗み出した機密情報を受け取り、その機密情報を自社の営業に使用する行為です。
・不競法2条1項5号
(定
不競法2条1項4号 営業秘密の不正取得
本号での営業秘密の不正取得というのは、(i)営業秘密等の不正取得、又は、(ii)不正取得行為により取得した営業秘密の使用または開示、です。
営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもののことです(不競法2条6項)。営業秘密と言えるためのキーワードは、秘密管理性、有用性、非公知性です。
不正取得とは
不競法2条1項3号 商品形態模倣行為
1.条文解説 今日では、3Dプリンタに代表される複製技術はかなりの発展を遂げています。このため、商品形態の模倣(特にデッドコピー)が容易になっています。
模倣者は商品化リスクを極小化できます。しかし、先行者の立場から見ると、模倣者の行為によって先行者の先行利益は大幅に毀損されます。このような状態を放置すると、先行者が現れなくなることが考えられます。そこで、公正な競業秩序を維持するために、デッドコ
不競法2条1項2号 著名表示冒用行為
1.概要
著名(全国レベルで有名)になった商標などは、それだけで独自の財産的価値を有するものです。しかし、このような商標等は、第三者に勝手に使われることがあります。
このような場合、その第三者は、少なくとも著名表示の顧客吸引力にただのり(フリーライド)しています。また、著名表示を元々使用してきた者への信用が希釈化されてしまいます。また、著名表示を容易に想起(想到)できる表示の使用についても
不競法2条1項1号 混同惹起行為
何が不正競争に該当するかが2条1項に定義されています。
1.混同惹起行為
2条1項1号では、いわゆる「混同惹起行為」が不正競争とされています。
本号は、他人の業務に係る商品等表示への混同行為を規制することによって、商品等表示のもつ信用を保護することを目的としています。商品等表示の持つ信用を保護するわけですから、商品等表示には、一定以上の信用が化体していることが必要です。言い換えれば、商
商標法 判例 ADMIRAL事件 平成26(行ケ)10170~10174号
殆どないと思われる事例ですが、元々同じ権利者から権利移転した後、不正使用取消となった事例です。
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商標法78条~85条 侵害の罪等
本条は、商標権侵害の罪について規定されています。
商標権侵害の構成要件は商25条に規定されています。また、商標権侵害を構成する使用は商2条3項に規定されています。
・商標法78条
(侵害の罪)
第七十八条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に
商標法77条の2 経過措置
本条では、商標法の規定に基づいて政令、省令を制定、改廃する場合には、政令で所定の経過措置を定めることができることを規定しています。
・商標法77条の2
(経過措置)
第七十七条の二 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
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商標法77条 特許法の準用
本条では特許法の準用と読み替えが行われています。
特許法では補正却下決定不服審判がありませんが、商標法には補正却下決定不服審判があります。このため、審判請求期間の延長についての読み替えを行っています(商77条1項)。
また、特許法9条、14条を準用していますので、補正却下決定不服審判は、出願人全員で請求する必要があります(不利益行為扱い)(商77条2項)。
更新登録料(商40条2項
商標法76条 手数料
本条では、特許庁が徴収する手数料について規定しています。
国に属する権利もありますが、国は手数料支払いが不要とされています(商76条2項)。これは、国の機関の間での資金還流は無駄な手続きだからです。
結果として、国との共有に係る権利の場合、国以外の者が、自らの持分に応じた手数料を支払うことになります(商76条3項)。国と国以外の者が50%づつ所有する権利の場合、国以外の者が支払う手数料は
商標法75条 商標公報
本条では、商標公報について規定されています。
商標公報は、商標登録出願、及び、商標権に関して必要な事項を広く一般公衆に知らせるために発行されています。
商75条1号は、出願公開後に商標権が発生しなかった場合、(i)その出願に係る金銭的請求権(商13条の2)が遡及消滅すること、(ii)その出願に係る商標は自由に使用してよいこと、を知らせるために設けられています。
・商標法75条
(商標
商標法74条 虚偽表示の禁止
本条では、虚偽表示と、虚偽表示の予備的行為が禁止されています。
本条で禁止しているのは、
(a)未登録商標、類似範囲又は非類似範囲での使用(商74条1号)
(b)登録商標を指定商品・役務以外への使用(商74条2号)
(c)商74条1号、2号に該当する物を譲渡目的所持、引渡目的所持(商74条3号)
(d)役務提供に使用する虚偽表示物を、役務提供のために所持又は輸入(商74条4号)
(e)役務提
商標法73条 商標登録表示
1.条文解説
本条は、努力義務を規定した訓示規定です。
商標登録表示は努力義務なので、自らの商標権に係る商標登録表示をしなかった場合でも制裁は有りません。ただし、他人の商標権に係る表示を勝手に行ったり、他人の商標権の類似範囲等(禁止権範囲)での表示を勝手に行うと処罰の対象になります(商80条)。
2.具体例
株式会社ABCが商標「ABC」を有している場合、よく使われる表記として、