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有馬記念振り返り ドウデュース


レース回顧

今年の有馬記念は、近年では珍しく軽い高速馬場での開催となりました。前週のターコイズSの勝ち時計が1:32.7、前日のグレイトフルSが2:32.0で、勝ち馬のあがり3Fはどちらも33秒台。12月中山とは思えないくらいの時計が出る馬場状態でした。最近の競馬界の進歩と発展の速さはすごいですが、馬場の保全技術も素晴らしいですね。開催4週目でも、インがそれほど痛むことなく、内枠先行馬有利の馬場バイアスだったと思います。

レースは、ハーツクライ産駒のドウデュースが、後方待機から3~4コーナーで大まくり、最後の直線で逃げたタイトルホルダーと2番手追走のスターズオンアースをきっちりとらえて勝利。勝ち時計2:30.9、ドウデュースのあがり3Fは34.3秒でした。冬の中山でよく見るスタミナ消耗戦の展開ではなく、溜めて末脚を伸ばすフランス的なレース質に近かったようです。

上位入線馬の種牡馬は、
1着ハーツクライ産駒
2着ドゥラメンテ産駒
3着ドゥラメンテ産駒
4着ディープインパクト産駒
5着ディープインパクト産駒

という結果で、ダービーに実績のある血統でした。「ダービー馬はダービー馬から」の格言がありますが、今後は「有馬記念馬はダービー馬から」となるのかもしれません。

また、上位入線馬の前走レースは
1着ジャパンカップ
2着ジャパンカップ
3着ジャパンカップ
4着天皇賞秋
5着BCターフ

という結果になりました。前走ジャパンカップ出走馬が有馬記念で馬券になったのは2018年3着シュヴァルグラン以来5年ぶり。競走馬にとって「高速ジャパンカップ⇒高速有馬記念」のローテーションはそれほど負荷が大きくないのかもしれません。

ドウデュース

ドウデュースのこの秋は天皇賞秋7着、ジャパンカップ4着と結果が出せていませんでしたが、有馬記念で圧巻のパフォーマンスを見せました。関西馬で秋に関東圏輸送を3回行うローテーションは近年減りましたが、ドウデュースはこの秋3回目の関東圏輸送で結果を出しました。実はドウデュースが3回目の関東圏輸送でGIを勝つのは2回目で、
弥生賞→皐月賞→ダービー
の連続関東圏輸送でダービーを制しています。ドウデュースは近年では珍しく反動の出ない叩き良化型のようです。
また、3~4コーナーの加速力も素晴らしかったですね。古馬になった今では、東京の瞬発力勝負よりも中山のコーナリング持続力勝負の方が向くのかもしれません。

スターズオンアース

不利とされていた16番ゲートから先行して2着。さすがルメール名人。素晴らしいとしか言いようがありません。スターズオンアースは東京向きの馬ですが、軽い馬場になったことも好走要因でしょう。

タイトルホルダー

高速馬場適性の低さを、2番手以降を引き離すマイペース逃げでうまくカバーしました。後続の末脚に屈しましたが素晴らしいラストランでした。

ジャスティンパレス

スタートで後手を踏んで後方から。2週目の3コーナー手前ではドウデュースと同じような位置取りでしたが、コーナリングで置いて行かれてしました。本質的に小回りコースは向いていないようです。とはいえ4着なので現役屈指の競走馬であることには変わりありません。
そういえば宝塚記念でもコーナーで押し上げていけず、イクイノックスのルメールに煽られるシーンがありましたね。

スルーセブンシーズ

折り合いの難しい馬で、ジョッキーは馬の後ろに入れて追走したかったと思いますが、そのタイミングがないままレースが進んでしまいました。今回は折り合いを欠いて力を発揮できませんでした。枠的に仕方のない敗戦だと思います。

タスティエーラ

直線で挟まれる不利がありましたが、タスティエーラにジャスティンパレスほどの脚があればあの不利は受けていないので、結局不利があってもなくても馬券にはなっていないと思います。サトノクラウン産駒で、上位入線馬と比較すると末脚で劣るので、今回の高速馬場ではやむを得ない敗戦ですね。高速馬場適性が低いわりには古馬と遜色ない競馬はできており、世間が言うほど3歳世代(というかタスティエーラ)は弱くない印象を受けました。

ソールオリエンス

父キタサンブラック、母父モティヴェーターで切れ負け。今回のような高速馬場では、上位入線馬とは差が出てしまいますね。先行力がつけば話も変わってくるのですが...。現状は皐月賞のような時計のかかる馬場がベストでしょうね。

馬券結果

馬券はシャフリヤールを本命に組み立てました。シャフリヤールを本命にした理由は、

  • 高速馬場だから

  • 内枠だから

  • そこそこ先行できそうだから

  • まるで人気がないから

だからです。

思惑通り4番手をインベタで先行し前を追いましたが、1列前にいたスターズオンアースと同じ脚色になってしまい前を交わすことができませんでした。馬券としては、まずまず期待値の高そうな選択ができたのではないかと思っています。

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