中華そば 松葉「YouTubeや自家製ラー油で認知を勝ち取るラーメン店」

テンポスバスターズ社発行のフリーペーパー「Smilers」で連載中の「フリ
ランス広報 葛西直樹の飲食探訪記 『超好吃(ツァオハオチー)」からの引用記事です。

筆者の地元である東京都八王子市では、ご当地ラーメンである八王子ラーメンが有名であり、日々様々な店舗が鎬を削っているほどにラーメン店の店舗数が多い。

代表格として、連日メディアに露出している「みんみんラーメン本店」、営業時間の短さにも関わらず連日行列を成す「吾衛門」気づけば環七系ラーメンの名残を感じる「壱発ラーメン」等枚挙に暇がない。

その中でも、YouTubeを活用した認知獲得や調味料やサービスデーなどお店特有の拘りで名店にも負けぬ存在感を作り上げているのが、八王子市役所近くの「中華そば 松葉」(以下、松葉)である。

辛油そば

 松葉は一見どこでも見かける街場のラーメン店である。メニューを見ても特筆したメニューは見当たらない。しかし、松葉の凄みは店主が辛さに弱く味見できないほどに辛すぎる辛味を全面に推し、おそらく多摩地域でも群を抜くほどの辛さを誇るラーメンが推しだと、筆者は感じている。現に多くの刺激を求めるグルメな方々がこぞって松葉に辛さを求めて来店しているのだ。

 筆者は辛油そばを中辛かつ中盛で注文するが、中盛だけでなんと3玉(450g。大盛だと600g)もあり、ただでさえボリューミーなのだが、中辛で他店舗で一番辛いメニューと比べても遜色が無いほどに辛すぎるのだ。

その辛さはジョロキアを筆頭に世界で二番目に辛いドラゴンブレスや、世界で三番目に辛いキャロラインリーパー等6種類の激辛成分で構成されており、時を経るごとに辛さが増しているのではと感じるほどだ。

以前、松葉の店主がジョロキアを自家製で栽培したことがきっかけでこの激辛調味料を生み出しているのだが、まずこの激辛調味料で他店との差別化を図ることに成功し、激辛ラーメン好きの中で松葉の認知が広がったのだ。辛さで有名な蒙古タンメン中本と比べられない程の辛さで、胃が何度も痙攣を起こすほどの辛さだ。松葉の中辛を初めて食す方は必ず店員さんに、本当に食べられるのか確認されるほどなので、注意して挑んでほしい。(辛さが足りない方は追加でこの激辛調味料を頂くことができる。)

 肝心のラーメンの味は、乗っている具材も辛さ太めの平打ち麺とのバランスが良く、食べごたえのチャーシューは硬さが程よく、汁と絡めると尚良い。チャーシューを追加トッピングせずとも3枚載っているのはお得感が強い。辛さと向き合う前、向き合う最中、そして名残惜しい食後のタイミングで食すチャーシューと3回も楽しむことができる。

辛さの箸休めとなるほうれん草、付け合せの魚介の旨味が広がるあっさりスープも辛さが広がる口の中にまったりと寄り添う。最後まで残しておきたい濃厚な味玉の黄身の広がりで口の中に日常が訪れる。

この量と満足感で1000円でお釣りが来るのも嬉しい。第一・第三月曜日はレディースデーでラーメンが600円になるのもお得感があり、女性や子供連れの方々も訪れやすいのではないだろうか。味わいがそこまで諄くないのも、より食べやすさを実感して頂きやすいかもしてない。

 辛さで他店と差別化した松葉は、地場のラーメン店で珍しいYouTubeでの露出で認知を獲得している。そのきっかけは5kgのジャンボラーメンであった。そのボリューミーでとても普通では食べられそうになさそうなラーメンをチャンネル登録者数76万人を誇る大食い人気YouTuberのぞうさんパクパクさんが2度も動画で取り上げたのだ。その結果両動画共に80万回再生を記録している。話題作りを欠かさないラーメン店も珍しいかもしれない。


ラーメンに限らず、個人店における話題作りは大変であることは重々承知している。その中でも、時流を絡めながらひたむきに料理に向き合い続ける料理人の方々にはとにかく頭が上がらない。

さらにはメディアにも向き合うのは、広報を専任で行う筆者自身も大変だと感じるので尚更である。今後もマス層に向き合いながらも地元の方々にも愛される飲食店を筆者なりに大切にしたい。

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