マラソンの夜明け

東京マラソンが久しぶりの快挙に沸いた。待ちに待った日本記録誕生。16年ぶり。停滞、このままでは世界で通じないと散々言われてきた男子マラソンですが、ようやく光明が見え、夜明けを迎えそうな予感がしてきた。

つい以前はサブテン(2時間10分切り)がかろうじて出るレベルだったのが、今回は大幅に改善され、予備軍も沢山居る。次代の選手たちはなかなかしぶとく、何度か失敗した選手も復活してくる。これは本格的に世界と伍して戦える土壌が出来そうな予感がする。


実は

世界で戦う、伍してという言葉だが日本マラソンは男女とも世界トップ3争いはしている。ケニア・エチオピア勢(出身含む)の質量は大変分厚く、世界ランクトップ100のうち7割-8割を占めているが、その次は日本を含めた数か国が数人ずつ含まれる状態。量としては日本は層は厚い。

それが今回、更に最近層が厚くなったといえる走りを見せている中での複数サブテンを含む走りが見られたという訳です。

世界のトップは2時間2分台。2時間切も視野に入れているので、それでも3分以上足りない。が、まだまだ若い選手が複数台頭してきたこともあり、更に上をお互い目指せるのでチャンスが出てきたのではないでしょうか。

今後が楽しみです。


自責

世界との差が拡大した原因、日本記録更新が低迷した理由には私を含む責任はあると思う(誰も言わないかもしれないけれど自責)。以前記録を保持していた方々は私の先輩世代にあたる。

本来はその記録を私を含めた世代がどんどん更新しなければいけなかったと思う。実際に5000mでは同期が更新。30kmでも世界記録で走った選手が居る。三障も同期が日本記録を出した。

けれど、箱根で活躍した選手のうち半数は早期に引退し、頑張っている選手たちと共に戦うことが出来なかった。競争も共闘も出来ずに、託しちゃったので、彼らに責任を押し付けちゃったな、とずっと思っていた。(私は大学卒業後4年で引退、指導者の道へ)


今の選手を見ていると、ライバルであり、世界で戦う仲間のような関係が見える。

あくまで自責であり、誰かの指摘でもないし、早期に指導者になったことで得るものも多かった。今は同世代の指導者が多く活躍しているので、橋頭保にはなれたと自負している(これからも自分も頑張らないと・・・)

別に「箱根不要論」が払しょくされた!という風に大騒ぎをするつもりはないけれど、「箱根」が世界に直結しないと言われる度に、自責の念が募っていたんですよね。自分が世界に通用するような走りが出来ていれば、と。

だから、自分が何かをして払拭したわけではないけれど。トレーニング方法もまだまだ模索していく必要はあるけれど、それでも「全く通用しない」と言われていた部分がようやく少し晴れて来るのではないかと思う。


今後

マネジメントやシステム、インフラ面でも課題は多い。自分がやれることを模索しながら、精一杯やっていきたい。走ることは若い選手たちが頑張っている。別に彼らが何かを背負う必要は無く、お互い目一杯楽しみながら、勝負しながら強くなっていけばいいと思う。

もう走れない分、こちらは別の部分で次代に役立てるよう、今度は何かを築き上げられるようにしたい。

もちろん、マラソンファン、駅伝ファンの方々にも貢献、お役に立てられるのが一番。恩返しもしたい。自分に出来ることは沢山あるはずです。

若い選手たち、そして自分自身にも期待したい。


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