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【本の紹介】基礎&応用力をしっかり育成! Androidアプリ開発の教科書 なんちゃって開発者にならないための実践ハンズオン

【はじめに】


 ご縁があり、WINGSプロジェクトの書籍レビューに応募して献本を頂きました。読み終わりましたので書評を書かせていただこうと思います。

【良かった所】


・全体的な機能に対する網羅感。
 アプリを作成する人が「使って作ってみたい」機能に関して、一通り網羅して全体が構成されている。取りあえず勉強しながら何か作ってみたい人が本書を参考に活用して機能を実装してみる分には、取り上げるトピックとして不足はないだろう。

・strings.xmlをちゃんと抑えている。
 Androidでの開発を進める上で一番の要になるこのファイルについて、きちんと言及されている。このファイルに対する理解がないまま進むと途中で学習が頭打ちになりがちだが、それを避けられるように説明がきっちりとされている。

・レイアウトの基礎がしっかりと書かれている。またxmlでの設定ファイルに言及している。
 ユーザインタフェースの肝となるレイアウトの基礎について、必要十分な記述がなされている。またGUIビルダーでの作成だけでなく、結果生成されるxmlファイルについても直接このファイルを修正する事も含めて取り上げられている。またUIを構成するコンポーネントについてもきちんと取り上げられている。こういった部分もきちんと学べる事で、さらに深く学習する際の助けになるだろう。

・各種レイアウトとマテリアルデザインまで踏み込んでいる
 同じくレイアウトの話になるが、AndroidでのUIを構成する際にベースとなるレイアウトの種類が数種類選択出来る。それらについて適用すべき場面と特徴を含め、きちんと取り上げられている。また昨今主流となっているマテリアルデザインについても1章を割いて説明されている。中級レベルぐらいまでレイアウトについて十分学べる内容となっている。

・各章の独立感
 各章はトピック毎に分かれており、かつ独立して学習できるように構成されている。気になるトピックから試すことも出来る構成なのでつまみ食い的に学習を進めることが出来る。

【不満だった所】


・画像の準備についての説明がない
 内容を機能実装の学習に振ってまとめた書籍だからかもしれないが、アイコンなど画像の準備(特に複数解像度への対応)については取り上げられていない。

・apkビルド・実機への転送などのトピックがない
 Gladleについては少し記述があるものの、apkの作成方法や実機への転送などについては取り上げられていない。またストアへの申請方法についても記述はない。

・欲を言えばKotrin対応して欲しい
 連載をしていた時期を考えれば致し方ないのかもしれないが、昨今Android開発言語の主流はKotrinに移りつつある現状、Kotrinでの説明も欲しかった所ではある。

【全体的な感想】


 タイトルに「教科書」と冠している分期待が大きかったのか、もう少し取り上げる範囲を(特に上記の不満点)増やして欲しかった感はある。
 しかし、総じて初心者が基礎から一通り学ぶ際には、取り上げているトピックとして不足があるように思われない。本書の内容をいちからきっちり手を動かして学んでいけば、初級者としては必要な基礎部分は十分学べると思うし、自力もきっちりつくと思われる。実装のハンズオンベースでいちからAndroidアプリ開発を学ぶという目的であれば十分に良書だと思う。
 

基礎&応用力をしっかり育成! Androidアプリ開発の教科書 なんちゃって開発者にならないための実践ハンズオン

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