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クリティカルシンキングのためのオラクルカード #03 /バック・トゥ・ザ・フューチャーにおける「暗示」

※バック・トゥ・ザ・フューチャーのネタバレがあります。
※この記事はタロットカードについて扱いますが、占いについての記事ではありません。あくまで、思考ツールとしてタロットカードを考察していきます。

2020年6月12日から、金曜ロードショー3夜連続で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズが放送されました。
最終夜の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の最後のシーン、ジェニファーの問いに対するドクの答えから、オラクルカードにおける「暗示」の特性について考察したい。

マーティ:主人公
ドク:タイムマシンの発明者
ジェニファー:マーティの恋人

「暗示」を克服する

PART2で未来(2015年)のマーティは会社をクビになるが、その時の「お前はクビだ!」と書かれたFAXをジェニファーは現世(1985年)へ持ち帰る。PART3の終盤、精神的に成長したマーティの振る舞いにより、未来は変化し、ジェニファーが未来から持ち帰ったFAX用紙から「お前はクビだ!」の文字が消え去る。

そして最後のシーン、
ジェニファーはドクへ質問する、

「これ(クビ通達FAX)、未来から持ち帰ったんですけど、字が消えたんです!」

ドクはこのように答える

「つまりだね、きみの未来はまだ決まってないということ。未来は自分で切り開くものなんだよ」

これまで何度もこの映画を見てきたが、この連載を始めてからこのシーンに対する見方が変化した。このシーンをタロットの暗示から考察してみると、「きみの未来はまだ決まっていない」→「未来は明るくも暗くもなる」ということだと解釈できる。

どういうことかというと、未来(2015年)から持ち帰った「お前はクビだ!」の文字が消えたということは、この先の未来でクビになる可能性が消えたというわけではないということだ。また、現在のマーティの振る舞いからクビの可能性がないと判断され文字が消えたが、その暗示に安心し、マーティの振る舞いが元に戻るようなら2015年以前にクビになる可能性もありうるだろう。

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ドクはジェニファーに対して、「未来でのクビを回避したんだよ」とは言わず、「未来は決まっていないんだよ」と伝える。今後のマーティ次第で、常に結末は変動するということをジェニファー・マーティ・視聴者に伝えているのだ。

このドクの発言は、タロットカードの「暗示」を健全に捉えるためのヒントになりうる。


「暗示」は「結末」ではない

これは、タロットカードを健全に使用するためにとても大事なポイントだと考える。この点を勘違いしてしまうことから、霊感商法や占い依存などの問題が生じてくると考えられる。また、本連載において、タロットカードを「思考ツール」として考えるために理解したい重要な点だ。

どういうことか、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』のマーティとタネンの決闘シーンから考察する。

決闘前、マーティは自分の名前が刻まれた墓石の写真(未来の写真)を目にする。この「自分の名前が刻まれた墓石の写真」は、「この決闘で自分は死ぬ」ということを暗示する。暗示を目にしたマーティは、その未来を回避するため、ストーブ?の蓋を胴に仕込み銃弾をはね返し、見事死を回避する。

この状況から言えるのは、「暗示」がマーティを救ったのではなく、「暗示」を受けストーブの蓋を胴に仕込んだ工夫と行動がマーティの命を救った。マーティは自分で自分の命を守ったと言える。

つまり、「暗示」=「結末」という式が成り立つのなら、ストーブの蓋を仕込んだところでマーティは死んでいる。

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これをタロットで置き換えると、「悲しい」カードが出てきたところで「悲しい」結末になるとは限らないし、「嬉しい」カードが出てきたからと言って努力も何もしなければ「嬉しい」結果は訪れないということだ。真理・・・


「暗示」の解釈に正解はない

最後に、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズにおける「暗示」とタロットカードにおける「暗示」の異なる点を考察したい。

それは「暗示」の出自にあると考える。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでは、タイムマシーンに乗って未来へ行き、暗示を手に入れる。それは「未来」といえど「すでに起こった未来」だとも言える。すでに「起こっている」ために「暗示」としての正確性は高いと言える。

一方、タロットカードでの暗示は、現在と過去の状況を鑑みて未来を推測したもの、いわば「仮定の未来」であると言える。推測に過ぎないので、その推測自体を間違える可能性は大きい。

●『バック・トゥ・ザ・フューチャー』における暗示
→ すでに起こった未来 → このまま行けば確実にそうなる

●タロットカードにおける暗示
→仮定(推測)の未来 → そうなるかもしれないし、ならないかもしれない

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中の世界では、暗示を回避する行動を中心に考えればよかったのだが、私たちの世界では「そもそも暗示自体が正しいのか?」から考えなければならない。現世でタイムマシーンに乗れる人はいないのだから(たぶん)


おまけ

今回もおまけとして、タロットカードを実践してみる。

《質問》
昨日の実家の晩ご飯は?

《カードの結果》

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《自分なりの解釈》
カードの下の方が麺に見える。冷やし中華の麺に見える。
ただ、我が家は夜ご飯に麺類が出てくることはほぼない。
「太陽」が逆になっているので、健康的な食事ではなかったのかな?
最終予想:カップラーメン。
ひまわりが、あの独特のナルト的なやつに、茶色い帯みたいなのは謎肉にも見えるから。

《結果》
エビフライ🍤と白身フライ 刺身こんにゃく(by母)



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