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解体ひざ心書

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左膝と右膝の傷跡の話
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両膝誰でも小さい頃は転んで擦り傷を作る。多くの人は傷跡がふと目に入った時に「あの時の」と懐かしんだり、成長した自分に気が付いたりするだろう。 私の場合は、膝を見るたび過去に戻される。 私の両膝の傷跡は、トラウマ起動スイッチなのである。 左と右で転んだ時期や傷跡の形状は異なる。 そして左脳と右脳で機能が違うように、左膝と右膝で思い出すことや心の痛み方が違う。利き手があるように、利き膝があってトラウマの引き金を引き易い膝がある。 そんな私の膝から呼び起こされてしまう記憶と痛みの話

解体ひざ心書

右膝右膝のお皿の下、中央に3cmほどの縦の人工的なへこみ傷跡がある。 また膝のお皿の周囲にも3か所小さい傷跡がある。 これは、前十字靭帯断裂とそれに伴う半月板損傷の再建手術を受けてできたものだ。 この傷跡ができたのは中学校卒業の時期だ。 しかし、この傷跡ができる元となるケガをしたのは中学校2年の11月である。 ここで膝の前十字靭帯断裂について説明する。 膝は関節なので隙間があり、その隙間を骨と骨の安定のためにつないでいるのが前十字靭帯だ。 骨と骨と書いたけれど、膝関節を構