アセット_5

いいアイデアの条件①-アイデアの粒度を攻略しよう!

ようこそ。Kaiの思考実験場へ!

一生懸命アイデアを出してるのに、「うーん…だからさ、もっと具体的に。。」なんて言われてしまった経験がある方。それ、実は出すべきアイデアの粒度が定まっていないのが原因かもしれません。

前回は、"良いアイデア"の正体についてお話しました。

今回は、アイデアを「良いアイデア」にするための条件のひとつ。「アイデアの粒度」についてお話しようと思います…!

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粒が揃わないってどんな状態?

子供の頃、「お母さんとからあげと宇宙、どれが一番好き?」などと聞かれて返答に困ったことはありませんか?

人は対象の性質や概念のスケールが全て異なっていると、うまく比較することができません。

これと同様のことが、アイデア出しの現場でも起こり得ます。

”制限時間を決めて複数人で一斉にフラッシュアイデアを出す”ブレーンストーミング。ここ数年でだいぶ定着してきましたよね。

このブレーンストーミングをやる際、かなりの高頻度で「アイデアの粒度が揃わない問題」が発生します。

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STEP1. 実験〜やってみよう!〜

社内にとてつもなく腕のいいファシリテーターがいて、そんな苦労味わったことないよ!という方もいるかもしれないので、百聞は一見にしかず。どんな問題が起こるのか、試しにやってみましょうか。

次の課題に取り組んでみてください。

Q. 社内勉強会の参加者を増やす方法を、思いつくだけメモしてください(制限時間3分)

※ 全然アイデアが出ない!または考えてる時間がない!という方はこちらのサンプルを参考にしてください。

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STEP2. 観察

どうでしょう?全部を見比べて、「どれにしようかなぁ。」と迷えるくらい、粒ぞろいのアイデアは出ましたか?

もし粒ぞろいになったよ!という人は、アイデア出しがとってもお上手!👍だけどそんな人でも、他の人と一緒にアイデアを出すとなったら、やっぱりそうはいかないハズ。

✐ POINT
「粒が揃わない」と何が困るって、
「比較」がうまくできないんだよ!

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STEP3. 考察

粒度がバラバラなアイデアっていうのは、例えばこんなやつ。

Q. 社内勉強会の参加者を増やす方法
1. お菓子を食べ放題にする
2. アンケートを実施して、大多数の興味がある内容を取り扱う
3. お酒を飲み放題にする
4. 来る人にメリットがあるようにする
5. 2人1組で参加してもらう

見比べてみて、どんな印象を受けましたか?

例えば4はすべての上位概念と言うか…そもそもイベントを行なう上での大前提。「アタリマエだろそんなもん!!それはアイデアじゃねぇわ」って感じの大きさですし、1と3は「なにかあげる系」の流派違いのような感じ。あるいは3の意図が「リラックスできるラフな会であることを伝える」ことなのであれば、別の切り口と捉えることもできます。

1や3はメリット提示で解決しようとしてるアイデアで、2は扱うテーマや準備方法で解決しようとしているアイデア、5は参加形態を変えようとしているアイデア…と捉えると、どうにかどんな方向性が良いか、を決断することができそうですかね。しかしやっぱりここで、粒の揃わない4は除外されがちです。

では、こういった場外アイデアを極力少なくできる方法はないのでしょうか?

その解決策として、今回ご提示するのが…【アイデアスケールの5ステージ】ですっ✨

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🔥 5段階の粒度を攻略しよう!

これは、私が独自に定めた「考え事の大きさ」の基準。より抽象的なものからより具体的なものまで、5つの段階に分けてみました。

以下に詳しい解説を書きます。

E. 願望:「こうなったらいいな」というレベルの、ふわっとした欲求
ドラクエで言うところの、"HAPPY END"
D. 夢:「それを実現させたい」と感じるレベルの主体性の含まれた願望
ドラクエで言うところの、"モンスターと争わない平和な世界を目指す"
C. 宣言:夢を実現させるために「起こりうる課題」の解決手段の提示
ドラクエで言うところの、"竜王を倒す!"
B. 在り方:宣言した内容を達成するために取るべき具体的な方法
ドラクエで言うところの "目の前の人を助ける/仲間と一緒に/村人の協力を得ながら"
A. 行動:在り方を下支えするタスク化された詳細な方法
ドラクエで言うところの"行く先々で助けた村人から情報を得ながら竜王の元まで辿り着く/レベル上げたり防具買ったり宿に泊まったりしながら旅する”

各段階の関係性: E→Aへは「How」で下っていくことができ、A→Eへは「Then」で上っていくことができますが、それぞれの段階で「考えごとの照準」を変化させていく必要があります。

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異質なC(宣言)

中でも大きな変異があるのが、「D(夢)」から「C(宣言)」のステージです。E→Dへの変化とは異なり、D→Cへの変化では「課題の発見」が不可欠です。

この段階ではまさに問題の切り口を定め、「これだ」と“宣言”する必要があるのです。

先程の問を当てはめて考えてみましょう。

Q. 社内勉強会の参加者を増やす方法

それぞれの段階に照準を当てた質問をしようとすると、問や解答にはこんな変化が起こります。

Eを照準にした問 ) どんな世界観で参加者を増やす?
→ 例)来たくない人を無理やり誘うのではなく、自然と来たい気持ちにさせるような世界観で。
Dを照準にした問 ) どんな人に、どんな気持ちで来てほしい?
→ 例)まだ参加したことのない人に、気軽な気持ちで来てほしい。
Cを照準にした問 ) それにはどんな課題がある?
→ 例)内容がイケてないと思われているのでは?
→ 例)怖いおじさんが多いと思われているのでは?
→ 例)そもそもイベントが認知されていないのでは?
Bを照準にした問 ) その課題、どうすれば解決できる?
→ (例 省略)
Aを照準にした問 ) 具体的にはどんな行動が必要?
→ (例 省略)

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"アイデア"に求められる粒度

さぁ。そろそろ、適切な"アイデアの粒度"というものがなんとなくわかってきた頃ではないでしょうか。

アイデアに求められるのは、一般的にC以上の具体性です。

よいアイデアを出すには ① 問の立て方が大事 だとか ②切り口が大事 だとか、③ 課題発見が不可欠 とかってフレーズ、どこかで一度は耳にしたことがあるでしょう?

これ、全部ステージCでやることの話なんですよね。

DやEは、ビジネスプランで言うところの理念とかビジョンとかミッションと呼ばれるものに近く、起案者が持っておくべきコンセプトの部分。

これらは一般的に「方針」と呼ばれ、「アイデア」とは別物として扱われます。

前回の記事で、アイデアとは「問題を解決するための"具体的な方法"のこと」と書きました。

この具体的の中身をもう少し正しく、C〜Aの具体性であると定義しておきましょう。

✐ もっとわかりやすくしたければ…
「誰の/何を/どうやって」をセットでいう!
と決めてしまっても良いかもしれません。

前に挙げた例にたとえると、「モンスターに怯える人々/の/非平和な暮らし/を/勇者に竜王を倒してもらうことで」解決するというのが、
王様の"アイデア"です。

出すべきアイデアのフォーカスがCかBかAかは、シーンに応じて話し合いが必要です。

また、Cで出た切り口のうちどれを採用すればいいのか?などの疑問もあるかと思いますが、それはまた別の問題として扱います。そんなわけで、粒度についてのお話は一旦これでおしまいにしたいと思います。

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結論

💡考えごとの粒度は最も具体性の高いものから最も抽象度の高いものまで5段階に分けることができる。
💡そのうち、一般的に"アイデア"に期待されるのは、(課題の切り口を伴う)C以上の具体性である。
💡一般的なアイデア出しの場においては「誰の/何(課題)を/どうやって」すべてを含むアイデアはだいたい、適切な粒度のアイデアだといえそう。※もちろん、言い回し次第ではそこから外れてしまうこともある点は注意が必要。

この基準を身につけて、あなたがより「ほしいアイデア」に照準を合わせたブレストができるようになりますように♪

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➢ 次はどれを読む?

いいアイデアの正体 
アイデア出しの範囲(スコープ)を攻略しよう!
よい着想(フラッシュアイデア)を得たいアナタがやるべき3つのこと

書き手:あそび屋Kai

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