超過死亡者数

腋窩リンパ節腫脹

ワクチン接種後のリンパ節腫脹で乳がんになるというのは流石に無理がありそうな。

ワクチンでは作られたタンパク質が自然免疫系に処理されてヘルパーTに免疫提示され、そこからBリンパ球に情報が受け渡されて形質細胞となって抗体産生に働くし、一方では細胞障害性T細胞にも情報が受け渡されて特異的な攻撃細胞へと変化するわけだけれど、そのBリンパ球や細胞障害性Tリンパ球の変化や増殖はリンパ節で行われるので、接種部位から近いリンパ節は腫れやすくなる。

今回のワクチンは上腕筋に接種している訳なので、そこから一番近い腋窩リンパ節は腫れる可能性が高い。

一方で、乳がんの場合も転移するときには一番近い腋窩リンパ節が腫れることがあるので、乳がん検診に携わる検診医が腋窩リンパ節の腫脹をみて、それが乳がんの転移によるものか、ワクチンの影響によるものかを混乱するかもしれないということではないか。

ワクチンによるリンパ節腫脹は乳がんとは関係ないので、一定期間後には治ってゆくけれど、乳がんの転移であればそれは治ることはない。検診医は患者の検診時にはきちんとその患者の最近のワクチン接種の状況を確認しておかないといけないということであろう。

超過死亡者数

あとは死亡者数の問題は患者数が増加した時には適切に診断されずに亡くなってしまう人が増えるので、直接死因だけの統計では漏れてしまうことが知られている。そのため、インフルエンザでも同じだけれども、大流行する感染症では超過死亡数の解析を行なって、想定される死亡数と実際の死亡者数を比較してどれだけ想定よりずれているかをみて、感染症による真の死亡者数を推定するという方式を使うのが一般的である。

ちなみに日本は2020年では超過死亡者数はマイナスであった。これはインフルエンザの大流行がなかったことにより、その死亡が減少したためであると考えられているが、2021年は今までのところ、超過死亡者数が増えているようである。その原因がコロナであるのか、コロナのために圧迫された他の疾患による死亡であるのかはよくわからないが、これは適切な解析結果を待つよりほかないであろう。

Jリベラルの皆さんが大好きな朝日新聞も記事にしている。


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