うちで踊ろう(大晦日)【紅白歌合戦】
大晦日。
今年も源さんと年を越せました。
6度目の紅白歌合戦、今年も無事に観ることができました。
今年の楽曲は「うちで踊ろう(大晦日)」。
「新たに2番の歌詞を追加」という嬉しいおまけ付きでした。
(「うちで踊ろう」はインスタにアップできる時間(1分)で製作されたので、楽曲としてはかなり短めです)
そのうえ、実はとんでもない偉業を達成しているようなのです。
そもそもこの楽曲、実はカタログリリースされていないんです。
星野源のインスタや公式サイトでフリー音源として公開されてはいるものの、CDとして発売にはなっていません。
(10周年記念でリリースされたシングルCD-boxに特典として収録されているのみで、単独販売はしていません)
これをyanatakeさんは演目発表段階で指摘していました。
そして、その感じはChance the Rapperがグラミー賞にノミネートされたようだ、とも。
2017年にChance the Rapperはグラミー賞3冠を成し遂げていますが、彼は無料ストリーミング配信でのみ作品を発表するラッパーでした。
その当時の各種メディアの評価がかなり高く、ファンによる署名運動などもあり、最終的にはグラミー賞のほうが「有料で売り出され、購入できる作品であること」という規定を改める事態になったようですw
まさに、グラミー賞における分岐点になった出来事です。
今回の「うちで踊ろう」も、確かに同じような衝撃があります。
まあ紅白の選考基準はそこまでお堅いものではありませんが、一応公式サイトにはこうあります。
とはいえ、過去の出場者で「CDリリースがない」というのは歴代出演者を眺めても確かになさそうです。
(稀有な存在というなら2018年のオープニングにボーカロイドの初音ミクが映っていたりします。が、歌唱枠ではないし、ある意味多種多様なCDリリースもありますしねw)
特に取り沙汰されていない話ではありますが、個人的にはかなりグッとくる話でした。
そして楽曲ですが。
弾き語りから始まる光景、そして電球が散りばめられたあたたかい無機質。
今年のライブではおなじみの、円形に組まれたバンドメンバー。
源さんだけではなく、全ての演者が映されていく幸せな画像。
けど、2番の歌詞は…想定外すぎる内容でした。
いきなり突きつけられる、「嘲り合う」という言葉。
その瞬間、2020年の辛くて苦しい日々がフラッシュバックしました。
とんでもない渦中に飲み込まれたこの年は、たくさんの醜さや汚さを見た年でもありました。
それは他人だけではなく、自分自身の心にも。
けどそこに続くのは「変わろう一緒に」という言葉。
「一緒に」という言葉が、耳を塞ぎたくなるような心に寄り添いました。
ただ生きるだけが、こんなにも辛い世界。
1年前には予想もできなかった、地獄のような世界。
そこで私達は生きて、生活をしていくしかありません。
「瞳閉じよう 耳を塞ごう」
世界は必死に情報を集め、数多の情報を共有しようとする声が正義とされる中で、その正義は時に歪み、心無い言葉となり、心を蝕むこともありました。
けど、時には自らの「うち」に目を向けたっていいじゃないか。
苦しい、辛い。
けど、生きている。
「僕らずっと独りだと 諦め進もう」
どれだけ望んでも、どれだけ願っても、自分は自分でしかない。
けれども、独りだからこそ、誰かの手を繋げるし、誰かと重なれる。
「生きて抱き合おう」
そう、生きてさえいれば。
そのために独りを進まなければならないし、きっとまだ苦しさは続くのだろうけれども。
「いつかそれぞれの愛を 重ねられるように」
涙が止まりませんでした。
2020年、渦中に希望の光を灯したのは間違いなく「うちで踊ろう」でした。
誰とハグすることも叶わないけど、音楽はとてつもないスピードでその輪を拡げ、確かに誰かの存在を感じることができました。
ディスプレイの向こうに、踊っている誰かがいると感じられました。
まだまだ余談を許さない状態であっても、そこに無数に拡がる「いいね」だけで、救われる何かがありました。
生きよう。
そして、いつか生きて抱き合おう。
「うちで踊ろう」を抱えながら、まだ頑張れる。
そして、もうひとつ。
これは考えすぎかも知れませんが…源さんの衣装を見て、思わずニヤリとしてしまいました。
そこにあったのはピンク、そして黒。
ピンクは白でもない、赤でもない、そのふたつを合わせた色。
そして、黒は…
…もしかしたら、そんな思いが込められているのかなと思いました。
紅白、最高でした。
ソーシャルディスタンス配慮ではありましたが、たくさんのスタジオを駆使した画面展開はなかなか面白かったです。
司会も、我らが北海道の希望の星、洋ちゃん(大泉洋さん)が頑張っていたのでもう大騒ぎですw
スペシャルイベント的なものも控え目でしたが、それが功を奏し、楽曲を心ゆくまで堪能できたことも嬉しい誤算でした。
さあ、この楽しい大晦日を胸に。
また一年、頑張ります!!!