見出し画像

12/4 日声協オンライン研究会: 松平敬

【オンライン研究会一覧】

今回は12/4に開催されました【日本声楽家協会オンライン研究会 in Zoom】〈発表者(講師):松平敬先生〉 の模様をお届けします。

【テーマ】
歌手と作曲家のコラボレーション(キャシー・バーベリアンを例に)

【要旨】
キャシー・バーベリアンは、20世紀後半の声楽曲の歴史を考察する上で、絶対に無視できない歌手です。単に様々な新しい作品を演奏しただけでなく、彼女の演奏が同時代の多くの作曲家にインスピレーションを与えることで、この分野における新しいレパートリーが誕生したからです。彼女のために作曲された作品、バロック音楽、ビートルズを含む彼女の歌手としての広いレパートリー、彼女自身による作曲作品など、彼女の多角的な音楽活動を紹介したいと思います。

参加された皆さまからは、
「先日は興味深いご講義を有り難うございました。声楽初心者で、現代声楽曲はおろか古典もろくに知らなかったにも関わらず、いきなり深い世界に連れていって頂いて、大変刺激を受けました。叫びなのか旋律なのか、単なる音なのか音楽なのか、自分の感覚がかき回される中で、『音楽って何だろう?』という根元的なものにまで思いを馳せる機会となりました。 そしてもう一つ、色々な音源をきかせて頂く中で、歌い方や声の出し方に絶対の正解はないのだ、と感じました。もちろん私の様な立場ですと、まずは型をしっかり学ばなくてはいけませんけれども…。もし続編をなさる場合がありましたら、お話下さった60年代より以降の現代声楽曲の潮流についても伺ってみたいです。有り難うございました。」

「キャシー・バーべリアンの音楽活動について、非常に興味深く拝聴いたしました。現代声楽曲の文脈において決定的な存在とのことでしたが、それ以上の存在だと感じました。現代音楽は、既存の音楽に対して問いを投げかけたり、その領域を拡張してゆく動きのなかで生まれた・生まれつづけている音の表現と感じますが、彼女はそれらを軽く飛び越えているようにみえます。クラシック音楽・声楽曲の枠をはみだそうが、おさまろうが、回帰しようが、お構いなしに、興味の赴くまま自分の声で歌うことを楽しんでいる。その一回性の潔さに大変魅力を感じます。
話は飛びますが、いまの子供たちは宇宙語と呼ばれるめちゃくちゃ語を話すのがとても上手だとききます。もし彼女が今に生きていて、その子供たちの宇宙語を聴いたら、きっとそれらを真似して歌ったのではないかな、と思うくらい、フレキシブルな創造性と声をお持ちのアーティストだと思いました。」

「現代音楽は、なんとなく不可解なイメージでしたが、今回のキャシーバーベリアンについてのお話を伺えてよかったです。彼女の才能、様々な声色を引き出すために、作曲家が曲をかいた。楽譜はアルファベットやイラストのようなものがはいっている。ほんとに初めて知ったことばかりでした。話はそれますが、YouTubeで見つけた先生の作成された『小さな空』の多重録音、とっても素敵です。有難うございました。」

などと感想をいただきました。
次回のオンライン研究会もぜひご参加ください。お待ちしております。

ーーーーーーーーーーーーーーー

【発表者】中村敬一(演出家)
【日時】2021年12月18日(土)15:00~16:45

【テーマ】
オペラの台本~リブレットの秘密
​~戯曲や小説がリブレットに生まれ変わる瞬間~リブレットに隠された名作の秘密を解き明かす

【要旨】
オペラが作曲される為には台本~リブレットが必用。
しかし、外国人である我々はオペラを音の情報からとらえがちだ。
台本の仕掛けを紐解き、素晴らしいリブレットが名作を生み出す秘密を探る。

【参加資格】
正会員の皆さまの他、一般・個人会員の皆さまもご参加いただけることとなりました。以下、詳細です。お誘いあわせの上、またのご参加を心よりお待ちしております。

●一般、個人会員の方
【参加費】
 一般:1,000円
 個人会員:500円

【半年パスポート】もございます。
 一般:半年間7,000円
 個人会員:半年間5,000円
半年で14回~16回程度を予定しております。
お申込みをされた月より半年の間に開催される研究会すべてにご参加になれる大変お得なパスポートです。

詳しくはこちらのページよりご確認いただけますと幸いです。