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大空襲と復興と自分

 76年前のことよりも自分の明日のことを考えろよという声が聞こえてくるが、幻聴なので無視する。

 76年前の今頃墨田区は地獄だったのだろうと思う。生き残った苦しみの方が大きかったのではないだろうか。
 東京大空襲での被害は死者10万人以上、被災者100万人以上に上るらしい。たった2時間でそれだけの被害がと思ってしまうが、逃げ惑う人にとっての2時間がどれだけ長い時間であったろうか。胸が引き裂かれる思いである。日本人が一体何をしたというのか。虐殺されるだけの理由が銃後の国民にあったのか。あろうはずもない。前線の兵士の殺す殺されるは仕方がない。戦争だからだ。戦闘によって住民が巻き添えになることも忍び難いが仕方のないことだと思う。しかし、無差別都市空襲は違う。民間人の虐殺を意図した空襲はもはや戦争ではない。それとも連合国に対して戦争を仕掛けた日本に対する罰だというのだろうか。アジアの猿に蜂起する権利など認めないということか。反撃する力のない、無関係の市民を虐殺しておきながら平和に対する罪だ何だと白人様は言うことが違う。ご立派すぎて黄色人種の自分にはついていけない。感情的になってしまった。

 終戦ごろの東京の写真を見たことはあるだろうか。まさに焼け野原。荒地である。あの写真を見るたびに涙が出そうになる。もちろん戦争の悲惨さを思って胸が締め付けられるからでもあるが、それ以上に戦後の復興のためどれだけの努力がそこにあったのかを考えさせられるからである。世界に誇る大都市東京が76年前焼け野原だったと一体誰が信じられるというのか。アメリカに打ちのめされた日本が100年も経たずして世界でも指折りの経済大国になっているのである。これは本当にすごいことだと思う。日本に住んでいれば何も疑問に思うことのない当たり前の状況かもしれないが、冷静に考えてほしい。写真で見る焼け野原の東京と自分の目で見るビルだらけの東京が同じ場所なのである。信じられないほどの偉業だと思う。
 学校で習う社会や日本史では戦後の政治はそこまで詳しく扱われない。なんとなく朝鮮特需があったり高度経済成長があったりオリンピックがあったり程度のことを学ぶ。だから意外とみんな戦後の日本がどうやって復興してきたのか知らないと思う。正直僕もあんまり詳しくない。ただ、戦後の政治家は戦争で荒廃した日本をどうやって立て直すかという使命をもっていたと思う。そしてみんなも知っている通り実際に復興した。日本が世紀末の状況から復興までどのような道を歩んできたのか。そんな視点をもってみれば、あまり楽しくなさそうな戦後政治史にも興味が出るんじゃないかなと思う。

 日本のために命を賭して戦った若者も日本の復興のために全力を尽くした若者もいるというのに自分は一体何をしているんだ。ニートだ。ニートなのに昨日豚カツを食べてしまった。罪深い。少しはちゃんとしなきゃいけないなと思う。いや、毎日思っているけども。

日本ほんとにすげーよって話。以上。

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