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「パーパス経営」の実践

§企業活動のための資本(Capital)の新定義
今日の事業環境下、事業活動の展開に必要な諸資本と各ボトムラインは、以下のように定義できる。
・Financial Capital (財務資本):Profit(利益)
・Human Capital(人的資本) :People(人)
・Natural Capital(自然資本) :Planet(地球)

§企業活動をサステナブルに行っていくための基本概念
上記の諸資本を最適活用して事業活動を長期的に成長させていくためには、従来の短期志向の経営概念は適さなくなった。特に、人的資本と自然資本を有効に最適活用していくために重要なこと、それは、「自社の存在価値は何か、なぜ事業活動をしているのか」というWHYの問いかけであり、この問いかけによって「パーパス」を浮かび上がらせることが必要である。なお、ビジョンとミッションは、パーパスに基づいて定義されるものであり、これらを「パーパス」に置き換えることはできない。

§パーパスは広告キャッチコピーではない
パーパスに基づいて、諸資本のアロケーションや期待収益目標などのKPI等の設定、そしてこれらを実現するための戦略行動を整合させる(アラインメントをとる)ことが、経営陣の役割である。したがって、広告エージェンシーが作成したキャッチコピーをパーパスに据えても戦略行動にはつながらず、全く無意味でることに留意すべきである。

§パーパス経営の実践例
日本企業で、優れたESGメッセージを発信している企業はいくつもあるが、なかでも、「パーパス」に基づいた「パーパス経営」の戦略行動を明らかにして、それに基づいたブランド戦略や長期的KPI等などを作成し、ステークホルダーに発信している企業として、花王株式会社と味の素株式会社が挙げられよう。この両社ともに、広告的キャッチフレーズではなく、財務資本のリスクを担う株主へのメッセージとして、詳細かつ長期的に一貫性あるIR情報の発信を行っている。

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