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自分に対するホスピタリティ

ホスピタリティとはいわゆる「おもてなし」のことである、という誤解を受けやすい事実については何度かお伝えしておりますが、そういった背景のせいなのでしょうか、自分に対するホスピタリティについては忘れ去られてしまいがちです。

例えば対人ホスピタリティは相手と自分の双方が快適な状態でなければ成立しませんので、良い関係を築くことができているのかどうかを判断するには自分の状態も重要な要素になります。

仕事上の関係で緊張を伴う接客応対や、逆に長期的な関係を望んでいる気の置けない大切な人と過ごす際には、対象に気を配るあまり特に自分の状態がおざなりになりがちですので、無理をしているように見えてしまうなど、かえって相手に気を遣わせてしまうかもしれません。自分に対するホスピタリティを少し意識してみると、双方にとって良好で快適なコミュニケーションが実現することと思います。

また、簡単なことではないかもしれませんが、必要な努力をした上でどうしても感性が合わないと感じる相手とは、可能な限り関わらないという選択もお互いの快適を実現するために必要なホスピタリティ精神の発揮と言えるのです。

単体ホスピタリティですと、実用的な例は集中力です。集中力は脳が喜んでいる状態でなければ充分に発揮できないとも言われています。思えば好きな事をしている時には時間が過ぎるのを忘れて全集中していますよね。自分に対するホスピタリティは生産性を高めるにあたって重要なポイントでもあるのです。このことは、組織の中に周囲を不快にしてしまう人が存在することでいかに全体の生産性が低下してしまうかという問題にもつながるのですが、長くなってしまいますのでこの点は別の機会に譲ることといたします。

更に、自分のコンディションが良くないときには、相手に対しても不寛容になってしまいがちです。SNSの台頭とともに、偏った思想や誤った情報をもとに一方的な正義感で自分と無関係な対象をも必要以上に叩くという哀れな行為を目にする機会が増えてしまいましたが、イライラなど一過性の原因ではなく、自分のことを愛せないがゆえに周囲を攻撃してしまう病を抱えてしまっているケースも少なくありませんので、そうした傾向にある人はまず自分自身の快適や自分に対するホスピタリティについて、真剣に掘り下げてみることをおすすめします。

このように、ホスピタリティは必ずしも相手がいなければ発揮できないものではなく、内向きにも有用なものですので、お心に留めて活かしていただければ幸いです。みやぞん氏の「自分の機嫌は自分で取る」という名言もありますしね。

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