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ひとりアヒージョ

「アヒージョ」という名前は聞いたことがあったけど、ずっと食べたことがなかった。初めて食べたのは、仕事があって、一人で札幌のゲストハウスに泊まったとき。

そのゲストハウスは、とても快適。スタッフの方がみんな爽やかで親切、部屋はとっても清潔、地下にはバー兼カフェがついていて、美味しいクラフトビールやワインが飲める。

その日、仕事が終わってゲストハウスに帰り、もう遅い時間だったけれども、お腹が空いていて、お酒と一緒に何か食べたくて、アヒージョを頼んだ。

普通、アヒージョは一人で食べるものではないのかもしれないけれど、ゲストハウスという場所柄、一人の(しかも海外の)お客さんが多いので、みんな気軽に一人でピザとかお酒とかを楽しんでいる。

運ばれてきたのは、北海道の美味しいタコを使ったアヒージョ。オリーブオイルとニンニクがたっぷりで、熱々のグツグツに煮えている。添えてあるフランスパンをトーストしたものを浸して食べる。オイルを飲むような料理で、非日常にテンションが上がる。添えてあったパンはすぐになくなってしまい、追加のパンを注文して、それもすぐに食べきった。「オイル食べすぎかな」と思ったけど、今日は特別だから良しなのだ。

こういう料理って、本来はパーティーとかで食べるものなんだろうけれど、一人で、ゆっくりしながら、美味しいビールを飲みながらのアヒージョは、最高だった。とにかく熱々だから、ゆっくりしか食べられないのがいい。自分だけの特別な料理って普段なかなか作らないけど、ひとりで食べるアヒージョは、まるでホールケーキを一人で食べているような満足感だ。

今、Nishio Farmではアヒージョ鍋を販売しているのだけれど、その原点は、このひとりアヒージョの体験から。だから、販売している鍋は、ひとりアヒージョが出来るような、小さなタイプもある。

アヒージョは、その鍋が一つあれば、他に料理を作らなくても完結してしまう。日本の鍋と同じような感じだと思う。何度も具やオイルを足して、延々と楽しめる。具は、季節のものを選べば素敵だし、お酒はビールもワインも合う。

うちの台所には、大きいのと小さいのと2種類のアヒージョ鍋があるのだけれど、小さい方は、自分の特別な時間のため。大きい鍋を使う時よりも、テンションが上がります。

アヒージョを初体験したこのゲストハウスは、北海道の札幌にある「ten to ten」。料理だけじゃなく、サービスの全てが満足度が高くて、仕事じゃなくても、現実逃避に行きたい宿。冒頭の写真は、その時の写真。Nishio Farmのアヒージョの原点です。



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