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【心の絵本】まず自分の気持ちがわかることが大切

ある小児科のお医者さんがこんなことをおっしゃっていました。
「思いやりを持ちなさい、と子どもに教えているケースがよくありますが、それよりもまず大事なのは、自分がどんな気持ちなのかをわかることです。
人の気持ちばかりを気にして、自分の気持ちを無視していると、自分がわからなくなってしまいます。
どんな気持ちであっても、まずそれを認めてあげることが一番大切」

自分の気持ちを言葉にするのって、けっこうむずかしいものです。ぴったりの言葉がみつかったら、それだけでスッキリ!なんてこともありますよね。

『どんなきもち?』(ミース・ファン・ハウト作 ほんまちひろ 訳)は、ページをめくるたび、カラフルな魚たちがいろんな表情をしてあらわれるオランダ発の絵本です。魚のとなりには、その表情にぴったりの言葉がそえられています。

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作者のミース・ファン・ハウトさんはこの絵本のために、たくさん、たくさん、魚を描きました。日本語の文字も、お願いしたら描いてくださいました(お上手です!)。それぞれの表情にぴったりの線で、いろいろな色を使って、ひらがなで表現されています。
もじもじ、しょんぼり、むしゃくしゃ、うっとり、わくわく、どきん……。

以前行った読み聞かせ会では、「おかあさん、うんざりってどういう意味?」とたずねているお子さんもいました。
「絵を見て、いろいろな表現を言葉にしてみたら、とても面白い」とは児童書専門店『こどもの広場』の横山眞佐子さん(『小二教育技術』10月号より)。絵本を読みながら、親子でいろんな話ができそうですね。

”きもちざかな”の絵を描いてみよう

自分の気持ちは、言葉だけでなく、絵でも表現できます。絵本作家で、この本の訳者でもある、ほんまちひろさんのおえかきワークショップでは、『どんなきもち?』の読み聞かせのあと、参加者に“きもちざかな”を描いてもらっています。

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▲2020年2月24日に経堂のフレンチレストラン「キッチンクラウン」で開催したおえかきワークショップにて。力作が窓一面に貼られました。

最初は慎重だった子どもたちも、途中からどんどん画用紙をもらって、いろいろなきもちざかなを描きはじめ、最後には「●●なきもちざかなです」と、一人ひとり、誇らしげに発表してくれました。

表現することは、自分の気持ちがわかるだけでなく、気持ちを整理することにもつながります。おうちでも、読み終わったら、みなさんでぜひ絵を描いてみてくださいね。

☆少し成長してきたお子さんには、姉妹本『ともだちになろう』(ミース・ファン・ハウト作 ほんまちひろ 訳)がオススメです!

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ともだちになったかいじゅうたちが、あそんだり、けんかしたり、なかなおりして、いっしょにわらったり。シンプルな絵と言葉で、子どもたちのともだちづくりを応援します。第21回日本絵本賞読者賞候補作品です。