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『人格』という作品

#私の作品紹介 というものに乗っかってみます。

このnoteのメインテーマとして始めたのが、「音声合成」。

単なる「テキストが人のしゃべりになる」という技術モジュールなのですが、使い手として、開発者として、長年かかわるうちにツールとしての使い方の先、「作品」に昇華していきました。

音声合成って?

ものすごく簡単に言えば、

①テキストを書く
②その通りに人間のしゃべりとして再現

という技術です。

音声合成

でも、実際には、書いたテキストを日本語のルールとしてどうなってるかの分析をしたり、その結果に基づいてイントネーションを作ったり、と結構色々な処理が重なって、やっと「しゃべり」になります。

合成フロー

その「処理」がかなり大変

色々な処理の中で、結構すぐに影響が出てくるのが、「形態素解析」。

日本語のルールに基づいて、テキストを分解、分析、ルールとの照らし合わせ、を行うのですが・・・

日本語、と簡単に言っても、全員がニュース原稿のように教科書のような日本語を書いてくれません。

また、実際のしゃべり方も地方や人や年代によってバラバラ。

さらに、アニメや歌手名やお笑いのコンビ名。いわゆる日本語のルールになってない言葉も山ほど。

漫才師i

だから面白い=作品にできる

誰が何を入れても普通にしゃべってしまう技術であれば、それほど面白くなかったかもしれません。

この音声合成というツールのちょっと期待通りにならない(ルールに縛られて融通が利かない)ところがあるので、なんか愛おしい不安定さを感じることもあるのです。

その不安定部分を、一つの表現として考えると、作品を形成することができる、という考え方です。

何が作品なのか

この面白ツールを使って出てきたしゃべり。明朝体やゴシック体のような「雰囲気」を表す記号、という扱いにいずれなるだろう、と予測していますが、今は、その「雰囲気が生々しいゆらぎ」付き。

そこで出てきた考えが、

「音声合成の出力に人は、『人格』を感じる」

というものです。

現在、noteでも音声投稿機能などで、この声を使って色々なコンテンツを作っています。

そのとき、自分の中では、『文章を書く自分』ではなく、『音声合成をしゃべっている誰か』になり切っている状態です。

人格が定まらなければブレブレ

一つの文章を一人の人間が書けば、ある種の一貫した芯が感じられます。多彩な作品を出しても、この作者だからこうなる、といったもの。

それを支えているのが、書き手としての人格だと考えます。

であれば、音声合成というバーチャルな存在にも、この人格を定めることで、人格が発する言葉の一貫性が保たれる、と考えました。

以上より、人格を作った

扉絵の彼女。いきなり絵を描いたわけではありません。

デザイナーと以下を共有し、何度も『どういう存在なのか』をそれこそバックボーンも含めて考え、最終的に絵になったものです。

設定は全部ではありませんが、以下のようなことを並べ、さらに年齢、学歴、バイト歴、得意な科目、趣味、なども設定してあります。

・技術は好きだけど人間の事はわからない
・人間の言葉や社会の事は勉強中
・言葉遣いは基本は真面目(音声合成の特徴の一つ)
・面倒くさいことはすぐ「検索してね」で逃げがち
・義務教育は突破している
・最近の流行の言葉は苦手(音声合成の特徴の一つ)
・都合が悪くなると、CPUが、メモリが、システムが、とそっちのせいにする
・裏に実際にテキストを書いている人がいる、ということを時々におわす(逃げ)
・真面目に対応しようとして、分からなくなって、途中でGoogleに投げる程度の責任感
・オチはだいたいシステムのせいにする確信犯。

ただし、この設定は基本的には必ず見てもらうものではありません。

タレントさんの存在は、特に細かい情報がなくても面白い、とされます。この設定は、あくまでも『人格として一貫性を持たせる』ためのルールブックとなるための存在。

これを知らなくても、たくさんのしゃべりの中から「こんなプロファイルかな」と皆さんが共通して感じてくれれば大成功。

以上を踏まえ、作品=人格

ちょうど昨日、ツイッターで結構な量を展開していた音源をまとめたところ。

お時間があれば、ぜひ、頭からこの「人工人格」にどんなことを感じるか、体感してみてください!

長くなったけど、変な作品ですよね・・・


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