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【仕事】ゲーム開発という行為の誤解を解くため、業務形態を細分化して説明します その2 3つの作業の(1)ルールを作ってます

ゲーム開発って具体的には何をどういうことをする仕事なの?ということを書いています。

どうも世間から、「『生きるのに役に立たない遊びを作ってる』のだから、お前さんも『そんな仕事ぶり』なんでしょ?」的なことを思われているような気がして。(それに近いことを言われることも多々)

いや、実際すちゃらかしてるときもありますが、基本はかなりまじめな仕事っぷりです。

その誤解を解きたくて、結構まじめなことをやってるんですよ、ということを書き始めました。その1が↓↓↓

それでは、その2。

ユーザーの面倒くさい、を起こさないために

その1で、「面倒くさいとユーザーが離れる」「こんなことが面倒くさい要素」という話をしました。

それでは、実際にそれを回避するためにどんなことをやっているか、というのを解説していきます。

それはそれは面倒くさいことをやっているのです。

主に3つの作業に言い換えられます。

(1)ルール作る
(2)体験時間軸作る
(3)UI作る

今回の記事はその1つめ。

ゲーム屋のやっている三大要素(1)ルールを作る

新しいゲームを楽しんでもらう、ということは、プレイヤーに新たな世界での生活をしていただく、という風に考えると良いかと思います。

その世界は、例えば、モンスターをボールで捕まえて、そのモンスターで戦う、などまたまた良くあるゲームっぽいことで説明ができてしまいます。

(1)-1 多すぎない新情報

新しい世界に入る、というだけで既にある種のストレスの恐れが満載です。そこに、覚えなくてはいけないルールが膨大な量なら、それをうまく伝えるのも大変。さらにそれを受け取るプレイヤー側も大変です。

もし、新しいゲームが、

・宇宙空間で
・剣と魔法が使えて
・そこに時の流れを操る職業があり
・並行世界から人間の精神に入りこむモンスターが出て
・呪いというキーワードで戦い
・未来から道具がどんどん持ち込まれ

などの要素があったらどうなるでしょう。案外面白そうですが、それをしっかりとシステムにしながら話を作るのも大変そうです。また、そこでのふるまいをプレイヤーに完全に求めるのも大変。

ゲーム依存症

なので、例のモンスターがボールで捕まえられるゲームはちゃんと考えられています。

・一般的な我々の生活をベースに
・モンスターが共存している
 ・そのモンスターと共存するルールがある

というように、新しい要素を大きく分ければ1つ。それが追加されたことによる新たなルールを付け加えているのです。

もちろん、ルール、なのでしっかりと勝ち負け・バランス・因果関係を設計するのはもちろんです。

これにより、プレイヤーは基本的にはこれ、このゲームならでは、の部分はこれ、というように新たな情報の範囲を理解しながら遊ぶことができるのです。

これは、一般的なサービス全般でも同じです。システムの全貌を理解して利用してもらう、ということは理想的ですが、全ての要素が新しい場合には、提供側の提供方法も大変だし、利用者側も覚えることが多くて大変です。

一つだけ便利になったよ、というサービスの見せ方も有効な場合があるのです。

(1)-2 新情報の追加は1ステージ1個

今度は、三角形が3つ組み合わされた印がついた勇者のお話。地球ではない世界で、剣と魔法と知恵でその世界の危機を救うゲームがあるとします。あるんです。

このゲームに限らず、ゲームというのは色々なワザや仕掛けがだんだんと追加されていきます。

これが一度に来たらどうなるでしょう。

最初から、剣も魔法も使えて、特殊な武器も全部持っている、それに合わせて敵も色々なものが次々出てくる。

何が何やら、どう戦えばいいのか混乱します。

ではどうするか、というのがこの表題です。

あるステージで追加される要素は一個だけ、しかもその一個がマスターできないと次に進めない、という作りにします。

これにより、

・追加1要素のみ、を理解する
・それ1個のみ、を修得する

ということで、余計な考えを持つことなく、理解と習得を進めることができるのです。実は、ステージをクリアして進んでいくこと自体が、マニュアルの説明と習得そのものになっているのです。いわゆる体験そのものが楽しくて遊んでしまうチュートリアルです。

これも一般サービスで考えてみましょう。

マニュアルをご覧ください、全部覚えたら利用を開始しましょう、というよりも、ある手順でしっかりとサービスを利用できるようになったら、順次一つずつ要素を追加できれば、そのプロダクトやサービスを無理なく習得することができます。

残念ながら、ユーザーの習得や進行状況に応じて、そのような細やかな動作設計がされているサービスやプロダクトにあまりであったことはありません。教育では公文式は非常にこの要素を取り入れていますが、まだまだ色々な領域で応用できる考え方です。

続きは、ゲーム屋の作業(2)体験時間軸を作る、です。こちらは中核になる作業なので、実作業時間の割り当て同様、かなり長い文章になる予定!


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