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ムラに行く

宝塚劇場のある宝塚はファンの間で通称「ムラ」と呼ばれている。
私は関西に住んでいる事もあり、何度かムラに行くことがあった。しかし、今年は3月以降公演が中止になってしまった影響で、今年の1月ぶりにムラで作品を観劇した。

今までは一人で行くことも多かったが、今回は大学院の友人との観劇である。台風の影響もほとんどなく、無事に劇場で観劇できて嬉しい。

今回観劇する作品は『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』の二本である。通常、宝塚歌劇はお芝居とショーの二本立ての構成になっている。今回も同様の構成であるが、ショーは日本もののショーなのだ。また、お芝居はショーの後に行われるため、フィナーレやパレード(大きい羽を付けて階段を降りてくるやつ)お芝居の最後に行われる。

元々、この公演は2020年に開催予定だった東京五輪の期間中に東京宝塚劇場で作品を上演する予定だった。そのため、ショーの内容やお芝居の設定など細かい所から大きいところまで、外国から来たお客さんに宝塚を見てもらうという意識があって作られた作品だと感じさせられた。

『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』は日本もののショーでとても華やかだった。幕開けのチョンパはやはり何度見ても興奮する。雪、月、花のそれぞれの場面はどれも美しくて素敵だった。

初めて幕間休憩中に劇場のお店でご飯を食べた。うどん。美味しい。かまぼこがすみれの花でいつもの事ながら、芸が細かい。

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『ピガール狂騒曲』はシェイクスピア原作の「十二夜」をベースに制作された作品でとても楽しいミュージカルであった。芝居の月組と言われるだけあってテンポの良い台詞の掛け合いやアドリブが凄い。作品を見てて純粋に楽しめるという事はこんなに嬉しいことなんだな、と宝塚に行くといつも感じさせられる。

現代アートを見ていると、単純に楽しいという感覚にはあまりならないので、こんな時間は本当に貴重なものである。
作品を作り出す、ということはある種、自らの身を滅ぼすことと似ている。きっと舞台に立っていた役者さん達は皆、自らの身を削っているのだろう。「アートは太陽のようなもので遠くにいると暖かいけど、近づきすぎると焼け死んでしまう」大学院の教授はよくアートについてそう説明する。その説明で言うと、私の今回の観劇は遠くの太陽で暖を取っているようなものだ。

さらに、宝塚歌劇独特の現代演劇にはあまりない、ストーリーテリングやクライマックスのあり方もたまに見ると、やはり新鮮で面白い。そして、毎回そういう劇的な演出や作り込み方に心惹かれるものがあり、私は舞台が好きなんだろうなと感じる。

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「ムラ」と呼ばれることだけあって、劇場の外も可愛らしいカフェが沢山ある。今回は近くの紅茶屋さんでスコーンとロイヤルミルクティーを頂いた。カップが通常のものよりも大きく、可愛い。
店内の内装も素敵で、お皿などもその雰囲気に合ったものだった。私はまだまだ素敵なポットやカップまで揃えることが出来ていないが、一緒に観劇した友人から色々カップの話を聞くことが出来た。

総じて、楽しい1日だった。

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