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39. 都市によって優しい人が多かったり少なくなったりはしない

2019/1/6 Barcelona→Paris

8日間、滞在したスペインとも今日でお別れ。スペインはマドリードとバルセロナで過ごしたけど、このふたつではバルセロナのほうが自分の肌に合っていた。

ダイニングキッチンはまだ明かりが灯っていない。フラーはまだ寝ているようだった。バックパックへ荷物を詰め込み、朝8時ごろ静かに宿を離れた。

次の目的地はフランスのパリだ。あまりにも有名な世界的都市へ、生まれてはじめて足を踏み入れる。

移動手段は、飛行機でもバスでもなく列車を選択。同じ列車に乗るたくさんのひとたちと一緒にプラットフォームへ歩き、あらかじめ予約してあった二等車の座席へ座った。

席は4人掛けボックス席の一角だった。知らないひとと向かい合わせになって若干気まずいのと、足を伸ばせないのが辛い。移動時間は6時間あまり。シートも思った以上に狭くて、なかなかしんどい移動だった。

夕方4時ごろパリのリヨン駅に到着した。降りた瞬間にバルセロナとはまったく空気が違う。ロンドンと似たピリピリとした都会特有の冷たいもの感じた。

バルセロナやポルトガルのリスボンも同じ都会なのに、どうしてこれほど漂っている空気が違うのか。当然ながら、やはり気候が大きい。

リスボンもバルセロナも滞在中はずっと晴れ。雨の気配すら感じなかった。それがフランスに着いた途端、空がすべて雲に変わり少しの青空も見えなくなった。気候が寒くなれば、体が縮こまってそこに住むひとの意識は内側へと向く。

ロンドンもパリと同じような感じだった。南と北とでこれだけ気候に差があるのだから、空気も変わって当然だ。

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