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59. 「ここに住んでいて不便ではないのだろうか」と余計な心配をしてしまう

2019/1/26 Venice

朝10時ごろから宿を出て、ベネチアの街並みを歩くことにした。

昨日も書いたが、ベネチアは島と本土に分かれている。宿に泊まったのは本土のメストレ地区。ベネチア観光は、そこから島へ移動するのが通常ルートとなる。

宿から歩いて10分ほどにトラムの停留所がある。トラムに乗れば、20分ほどで島の入口まで移動できる。

駅へ行く途中にあったタバコ屋さんでトラムの切符を3枚購入した。この切符はバスとトラムの共通切符である。トラムの停留所には券売機などなく、チケットがほしければタバコ屋さんへ行かなくてはならない。合理的ではないのだけど、そこはイタリアだから細かいことを思ってもしょうがない。

トラムに乗ると入口近くに読み取り機がある。そこにカード型の切符をかざす。

ゲートがないので無賃乗車しようと思えばできそうだけど、ランダムにチケットを確認に来る車掌さんがいるとのこと。無賃乗車が見つかれば罰金で50ユーロほど取られる。

トラムに乗ると、中にはそれなりの数の乗客が乗っていた。見たところ旅行者というより、地元の人のようだ。メストレからベネチアへ通勤している人たちなのかもしれない。

トラムは本土と島とを結ぶリベルタ橋を軽快なスピードで進み、20分ほどで終点に到着した。天気は嬉しいことに青空だ。ウィーンより暖かいけど、気温は5度ほどと肌寒い。降りてからは島の中央へ向けて歩いていった。

しかしベネチアというのは不思議なところだ。まず車が一切入れないというのがおもしろい。しかもバイクも禁止。電車も自転車も禁止。物資を運ぶのが大変だろうな思う。

道も車はまず通れそうにないような細い道ばかり。島のいたるところを流れる川には、急な角度や幅の細い橋が掛かっている。禁止もなにも、車は物理的に侵入することができなさそうだ。

観光メインの街なのは違いないのだけど、街に建っている家々を眺めると、洗濯物が干してあったりテレビの音が聞こえたりと、住民の生活している気配を十分に感じる。「ここに住んでいて不便ではないのだろうか」と余計な心配をしてしまう。Amazonに商品を頼むと、届けるひとは苦労するだろうなあ。

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