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19. 「自分のことを誇りに思っていい」

2018/12/17 Dublin

パーティーの翌日の朝。「朝食は自分で用意するから、寝てていいよ」と昨夜、アンジェラに告げておいた。シリアルやフルーツ、パンなどを適当に食べて、学校へと向かう。

今日はグラマーの授業でプレゼンテーションが行われる。それぞれ2〜3分くらいの時間を与えられ、自分が選んだテーマについて英語で話すのだ。

トップバッターをアルゼンチン人の(かなり優秀な)生徒が務め、その後、台湾の生徒、韓国の生徒と順にプレゼンテーションを行なっていった。

「じゃあ次は誰がやる?」と講師が告げたときに、手を上げた。あんまり終盤に自分の番をまわしたくなかったのだ。緊張することは早く終えてしまいたい。

ぼくはおそらく、クラスのなかでも英語のレベルがかなり下のほうである。カッコつけて背伸びしてもしょうがないので、「こんにちは、みなさん。ぼくはこれからごく簡単な英語でプレゼンを行ないます」と切り出した。

その後、持参しているハッセルブラッドを取り出し、カメラのことを英語で話した。

このカメラはデジタルでなくフィルムカメラであること。ファインダーを見るために、ウエストレベルで構える必要があること。

もともとは自分の伯父さんの持ち物で、それを無断で借りていること。伯父さんはすでに亡くなっていて、彼の家へ引っ越してからこのカメラを見つけたこと。このカメラが作るフィルムの色が大好きになって、ヨーロッパにまで持ってきたこと。

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