1Q84 ー村上春樹 ②

はい。では、まさかの6冊編成と知って、気持ちが無駄に焦ってプレッシャーを感じつつも読み切ることできました。

基本ネタバレありで感想を書きたいと思います。

これは、天吾(男)と青豆(女)というそれぞれの視点からのパートを交互に話を進めていきます。天吾さんは小説家希望の数学の予備校の先生で、青豆さんはジムのインストラクターでたまに人殺しをします。最初はいきなり人を殺すので、インストラクターというより人殺しさんなのかと思いました。

私の印象なんですが、村上春樹さんのお話はファンタジーで、アダルトで、オシャレって思ってます。
今回も、タクシーで人殺し向かう途中に高速道路の渋滞にはまり遅れそうなとこを、運転手さんがわかってるかのように急いでるならそこの階段から降りれば間に合うよって言うんです。
この階段を降りてから、青豆さんは世界が違ったように感じるんです。ファンタジー!トンネルを抜けたらって感じ。そして、すこし違和感のあるその世界のことを青豆さんは「1Q84」と名付けるんです。洒落てる。

青豆さんは、人の死ぬポイントが手の感覚でわかる超特技をもっています。そのポイント(首にあるよう)に針のように細いキリで殺します。傷跡もほとんど残らないので、自然死に見えるという完全犯罪!
首にある死ぬポイントが人にはあるって昔塾の先生に聞いたことがあったので、ゴクリってなりました。
ただ、その人殺しは悪い男のみを狙っています。超金持ちの貴婦人とタッグを組んで。青豆さんも貴婦人も大事な人を旦那のDVなどが理由でなくしています。貴婦人はその後DVを受けた女性を匿う家を寄付してたり、話を聞いたりしています。

天吾さんは小松さんという、編集者にとてもリスキーな提案をされるとこから始まったと思います。天吾さんが、ふかえりという高校生の「空気さなぎ」を新人賞に推すんだけど、小松さんがこの文章は稚拙で小説として読むことができないほど、ひどい、だけど話の筋はとてもいいから、天吾くん、書き直してくれないか、という提案をする。そんでもって、もっと大きな賞を取らせようということでした。こんなことあるんだろうか。
そして、そのふかえりは宗教団体のコミューンで育ちそこから逃げてきて、そこの話を小説にしたようでした。1Q84を読む前の「その可能性はすべて考えた」でも出てきたワードでした。

1Q84のほうがよりリアルでした。学生運動やらヒッピーやらのときにたちあげた革命軍的な人々がやまにこもり自然食品などを作りならが生活をする。単に自然の生活をしたい人々も加わりコミューンができたって感じでした。
実際にあるそうですね。興味深い。学生運動やらの時代はほんとうに物騒ですね。。ただ、1Q84はわりと今っぽいというか、、注意書きもあったのですが、言葉遣いなどは当時のものではないようで、その時代というイメージがあまりできなかったです。

そして、やっぱりジョージ・オーウェルの1984が引き合いにでてきたり、ヤナーチェクのシンフォニエッタやバッハなどの教養あるワードがたくさん出てきました。オシャレ。家で読んでるときはもちろん、ヤナーチェクやらバッハやら聞きながら読んでいました(笑)どんなもんだか、聞きたくなるよね。

あと、外せないのがセックスについて。ほんとにここが嫌いポイントなんだけど、変態的セックス描写が多いような気がするんですよね。。実際は変態的セックスのが世間は多いのかもしれないが、知らん人の性癖とか知りたくないんだよね。セックスについてはなにか意味があるんだろうけど。
しかも、ふかえりとセックスしたことによって、青豆さんが天吾さんの子供を身籠るという謎。ファンタジーだから、いいのかな。

最終的には、青豆さんと天吾さんは子供の頃からお互いに恋していて、ハッピーエンドになるんだけど、東京ラブストーリー並にすれ違います。

ただ、6冊もあって、全部の謎が解明されないところがもやもやします。。天吾さんの実の父親は誰なんだっていうのとか、年上のガールフレンドはどうなったのか、、アザミの姿はどうだったのか、、もやもや、、貴婦人は元気なのか、、、1Q84から1984へ戻ったらどうなってるのか、、

そんな謎はお構いなしに終了です。読解力の問題なのだろうか。辛い。


この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?