もう疲れました。友人が20年間ライアーゲームを仕掛けてきます

毎日note更新41日目。

先日友達の"変人"から電話がかかってきた。

変人とは僕の高校ラグビー部からの友人のめちゃくちゃ変な人である。

変人は開口一番こう言った。

「彼女と2週間で別れた！」

短か。

聞けば付き合ってから1回しか会っていないという。

別れる際はお互いに「今までありがとう」と言い合ったらしい。

何のありがとうなのかはよく分からないが、どうやら円満に別れたようだ。

しかし油断してはいけない。

もしかしたらこの話はウソかもしれない。

変人は昔から全く意味のわからないウソをよくつくのだ。

電話越しなので今回の話が本当という確証はない。

慎重にならなければいけない。

こっちは騙す気がないのに20年間一方的にライアーゲームを仕掛けられているのだ。

今日は変人の意味不明なウソを紹介していきたいと思う。

本当に意味わからないので「世にも奇妙な物語」を見る感覚で読んでもらえたらと思う。

ウソ①  金髪ピアス

大学に入学して少し経った頃、変人からこんな電話がかかってきた。

「今、俺ピアスめちゃくちゃ開けて金髪やわ！大学デビューや！」

数日後。

実際に僕の前に現れた変人は黒髪で穴一つない綺麗な耳をしていた。

もちろん大学デビューはしていなかった。

僕達は向かい合った瞬間、奇妙な空気が流れた。

ウソ② スキンヘッドにした

大学2回の夏休み、しばらく会ってなかった変人から電話がかかってきた。

「俺今スキンヘッドやねん！ツルツルや！これから俺のことツルピカハゲ丸て呼んでくれ！で今な、スキンヘッドの状態で家でタコ焼き焼いてるねん！タコ焼きみたいな頭の奴がタコ焼き焼いてるわ！」

数日後。

久しぶりに再会した変人の髪は風でなびいていた。

爽やかな空気が流れた。

ちなみに家でタコ焼き焼いていたのは本当らしい。

どこほんまの事言うてんねん。

ウソ③ 極真空手に入門

大学1回生の秋、僕とキャラ(高校ラグビー部の友人。先輩や監督にキャラ作りして媚びていた)にいきなりこんな報告をしてきた。

「俺、極真空手に入門したわ！今、道場の雑巾がけやってる！いつ正拳突きやらしてもらえるんか楽しみや！」

1週間後。

「極真空手やめたわ！雑巾がけばっかりしんどい」

どんだけはよやめんねん！と僕とキャラは変人の事をいじり続けた。

変人はしんどかったんや！と返していた。

10年後。

僕とキャラの前で変人はこう言った。

「極真空手ほんまは入門してない」

3人の時が止まった。

僕とキャラは思った。

え、何のウソ！？

てか、よう10年引っ張ったな！

何やこの誰も得もしなければ損もしない変なウソ！

このウソは変人ウソ史上でも屈指の名作と言える。

ウソ④ あの日の約束

バイト中変人はバイト先の先輩に

「タバコやめたん？」と聞かれた。

変人は答えた。

「親友2人とある約束したんですよ。僕ら今3人とも彼女いなくてね。頑張ってみんなで彼女作ろうって。で、彼女出来るまでみんなで禁煙して、彼女出来たらみんなでタバコ1本吸おう。そんな約束したんですよ」

この親友2人は僕とキャラの事だ。

もちろん僕らはこんな約束をしていない。

ていうか、彼女が出来たらタバコ吸う奴なんか聞いた事がない。

昔「インデペンデンスデイ」でウィルスミスが戦場で勝って帰ってこれたら葉巻を吸うというシーンがあった。

その世界観だろうか。

"つかなくてもいいウソをわざわざつく"

これぞ変人ウソワールドである。

ちなみにそもそもキャラはタバコを吸っていない。

そしてこの時、変人はタバコをやめていない。

どんでん返しにつぐどんでん返し。

脚本の腕が光るウソである。

ウソ⑤ 親戚全員幸せに包まれた

正月、変人家に親戚一同が集まっていた時の事。

叔父さんが変人に聞いてきた。

「お前彼女は出来たんか？」

変人は何も言わずニヤッと笑った。

叔父さんは叫んだ。

「何やその不敵な笑みはー！？」

親戚全員ワッ！！と盛り上がった。

この子にもついに彼女が出来たか、と。

全員、幸せな空気に包まれた。

もちろん変人に彼女は出来ていない。

言葉を発さずに表情だけでウソをつく。

かなりの高等テクニックである。

あとこれは僕の個人的な感想でかなり失礼なのだが

「何やその不敵な笑みはー！？」

と叫んだ叔父さんもなかなか変な人っぽい。

いかがだっただろうか？

これは変人のついてきたウソの一部である。

本当に油断ならない。

これを読んで引いている人もいるかもしれない。

「こんな人マジで無理！」

これが普通の感覚である。

しかし僕は楽しみにしてしまっているのである。

タイトルではもう疲れたと書いたが、次どんなウソがくるのだろうとワクワクしている。

僕の中で変人との関係はウソだろうが本当だろうが面白ければオッケーなのだ。

あと一応フォローすると誰かを貶めるようなウソはついていない。

はず。

今回の彼女と別れたのはウソか本当か。

答えは変人のみぞ知る。