クリスマスイブの奇跡

毎日note更新44日目。

かなり体調が回復してきた。

ご心配おかけしました。

思えば寝込むのは久しぶりである。

2年前の年末以来じゃないだろうか。

あの時は色んな意味でひどい目にあった。

布団に寝転んでたら思い出したので書いていきたいと思う。

2018年12月中旬。

僕は謎の病に倒れた。

10日間以上高熱が続いた。

病院の先生いわく何かしらのウイルスにやられているという話だった。

大きな病院に行って色んな検査を受けたもののウイルスの特定は難しく、不安な日々が続いた。

ある日髄膜の検査をしようという事になった。

髄膜。

怖い響きである。

検査の方法を聞いた。

背中に注射をぶっ刺してそのまま背骨付近の髄液を摂取する。

やばそう。

彼女もいない太ったおじさんがこんな検査を受けないといけないとは、、、

僕は検査よりもむしろ彼女がいない事の方を嘆いた。

検査は難航した。

先生が何回も針を刺してくるのである。

何かが上手くいっていない事は分かった。

早く終わってくれと願った。

結局、髄液を採取出来なかった。

先生が申し訳なさそうに理由を話す。

「背中の肉が厚すぎて針が奥までたどり着かなくて、、、」

理由でっっぶ。

検査出来ひんかった理由めっちゃでぶい。

まさか自分の肉の壁に阻まれるとは。

結局その検査は出来なかったが、数回に渡る血液検査の結果によりウイルス名が判明した。

そのウイルスの名前は

「EBウイルス」

普通は子供の頃にかかり、子供だと軽い風邪の様な症状で済むので気付かないうちにみんなかかっているらしい。

95%の人はそうなるらしいが、僕は残りの5%だったみたいだ。

どこ引き当ててんねん。

そしてネットで調べて分かったのだがこのEBウイルス、人の唾液を介して感染するため別名

「キス病」

と呼ばれているらしい。

え？？

キスしてませんけど？

僕は不思議に思った。

キスしていないのだ。

その近辺、いや数年以上キスなどしていないのだ。

キスをしてないモテないデブがなぜかキス病にかかったのである。

奇跡やん。

聖母マリアのノリやん。

奇しくもその日はクリスマスイブ。

いや、そんなイブ感いらんねん。

先生が僕に聞いてきた。

「ここ最近恋人やお店などでそういった行為は？」

ないわ。

恋人なんかおらんのやこっちは。

イブになんちゅう質問してくんねん。

先生の目の奥に疑いの色が見えた気がした。

僕はすぐ悟った。

「この人、お店を疑ってきている、、！！」

いやいや、ほんまに行ってへんのよ。

信じられへんやろうけどさ。

「あ〜このモテないデブお盛んですねえ」みたいな顔されても。

行ってないもんは行ってないんやから。

ほんまにキスしてなくてキス病かかっとんねん。

奇跡起こっとんねん、こっちは。

僕は先生に「いやあ、ないですねえ」とだけ返し、複雑な気分で家に帰宅した。

クリスマスイブになぜこんな思いをせないかんのだ。

僕はまだ熱もありしんどいため、とりあえず昼寝する事にした。

数時間後。

思ったより寝てしまった僕はとりあえず携帯を見た。

誰かからラインがきている。

僕の数少ない女友達からだった。

何や？？と思いながらラインを開く。

そこにはこう書かれてあった。

「Facebookたぶん乗っ取られてるで！！」

え？？

どういう事？？

文の下にスクショが貼ってあった。

僕が「今忙しい？？」と送っている。

おい！！

何送ってくれてんねん！！

クリスマスイブに「今忙しい？？」は1番あかんやろ！

イブに独り身のモテないデブが焦って送った感めっちゃ出てるやん！

紛らわしすぎんねん！

乗っ取るにしてももっと意味わからん文面送れよ！

調べると僕のFacebookの全フォロワーに「今忙しい？？」は送られていた。

大惨事。

イブにこんな悲劇あるだろうか。

僕はみんなに「今忙しい？？」のクリスマスプレゼントを送っていたのだ。

悪あがきサンタクロースである。

不幸中の幸いで乗っ取られた状態でもログイン出来たので僕は急いでみんなに乗っ取られてた事をメールで伝えた。

全員に送り終えた後、僕は考えた。

キスしてないのにキス病、めちゃくちゃ紛らわしい内容の乗っ取り。

これがよりによってクリスマスイブに起きたのである。

これを奇跡と言わずに何と言おうか。

僕はイブに起きた奇跡を1人でフライドチキンをむさぼりながら噛みしめた。