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情熱は時代を超えて

吉田松陰、いわずと知れた幕末の思想家です。
先日、吉田松陰が処刑された伝馬町牢屋敷跡を訪れる機会がありました。
そこには辞世の句が刻まれた石碑が立っています。

「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」

この句は「この身はたとえ武蔵野の野辺に朽ちてしまおうとも、私の大和魂はとどめて置く」という意味で、松陰が処刑前日に自身の松下村塾の門弟のために書いた遺書「留魂録」に記したものです。

日本の将来を憂い、国の将来を守るために過激な言動を続けた彼は幕府に目をつけられ、危険人物として処刑されることになりました。過激な言動の元には西欧諸国からの支配を退けて、日本を守りたいという無私で一途な思いがあったのです。

彼の死後「留魂録」は門弟たちに回し読みされました。松陰の思いは彼らの心に火をつけ、そして彼らは明治維新を成し遂げました。松陰の思いは同じ思いを持つ者たちへバトンとしてしっかり引き継がれたのでした。

「留魂録」を書き終え、処刑される最期の時を、松陰は心穏やかに迎えたといいます。短いながらも自分の人生をやり切ったという清々しさを感じていたのかもしれません。

現代に吉田松陰が生きていたら何を思うか?今度はこの地球の将来を憂いて、全てをかけた人生を送るのではないでしょうか。

「至誠にして動かざるものは未だこれ有らざるなり」

松陰が好んだ中国の思想家孟子の言葉で、「誠意ある心を持って尽くせば、動かなかった人など誰もいない」という意味です。

死後160年以上経った今も、吉田松陰が残した思いは私たちに迫ってきます。彼の情熱は留まることを知りません。

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