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緊急事態宣言期間延長!これまでの「数字」を振り返ってみた!

今日、政府は緊急事態宣言について、東京都・大阪府・京都府・兵庫県の宣言期間を5/11⇒5/31に延長しました。また、愛知県・福岡県は5/12から対象地域に追加されます。

当初政府が想定していた「17日間の短期決戦」はあっけなく敗れ、これまでと同じように宣言の延長を余儀なくされることとなりました。

延長になるのは数字から見ても明らか!

宣言対象地域の1つ大阪府は、感染状況・医療提供体制ともに全国最悪水準となっています。政府分科会が示すステージ指標において(下図参照)、大阪府の宣言期間中の数字の動きを見ても、解除できる状態ではなく、むしろさらに悪化する兆候も見えたりします。

▼政府分科会ステージ指標(ヤフー特設サイトより引用)

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▼大阪府コロナステージ指標(5/7時点・大阪府公開のデータを元に筆者作成)

ステージ指標(ダッシュボード)

まずは今日(5/7)時点のステージ指標です。陽性率以外はステージ4に該当しており、ステージ4の下限値から大きく乖離しています。これまでの経験則から、宣言解除の基準となるステージ3に戻すためには相当の時間がかかることが予想されます。特にGW明けとなる来週以降の数値がGW前の水準以上に悪化するようならば、5/31の解除は相当な無理があり、さらなるリバウンド”第5波”を引き起こす可能性があります。(ワクチン接種が相当数普及していれば少しは改善されるだろうが)

▼大阪府コロナステージ指標(4/25~5/7の推移・大阪府公開のデータを元に筆者作成)

ステージ指標

次に、4/25(日)の宣言期間初日から今日までのステージ指標の推移です。
各ステージ指標の中で、最初に動くのは表の右側の「感染状況」なので、そちらか見ていくことにします。

それによると、「人口10万人あたりの新規陽性者(感染者)数」は86.09⇒73.36と減少していますが、これはGW期間中における検査件数が前週同曜日と比べて少ないことが大きな要因です。もし本当に減少傾向であれば「陽性率」も低下しなければなりませんが、「陽性率」は横ばいで推移しているので、実質的な感染者数の減少には至っていません。来週以降の数値に注目して分析する必要があります。

次に「医療提供体制」を示す指標です。宣言期間において、大阪府は入院可能な病床数を増やして対応を行ってきました。

【病床数の推移】
<全体>4/25:2122床⇒5/7:2580床
<その内重症者>4/25:288床⇒5/7:365床

しかし、新規感染者数の増加に伴い入院を必要とする患者数も同規模で増加したことにより、病床使用率は高い水準が続きました。また、療養者数に占める入院者数の割合を示した「入院率」も、10%前後で横ばいで推移し、医療提供体制は逼迫した状態が続いています。

以上の数字からしても、今回の宣言延長は私たちからすれば「予定調和」に過ぎないことです。

PDCA&OODAループを政府の動きにおいても確立させるべき!

これまでにおいてもそうなのですが、宣言の発令に際して具体的な解除目標の数字を設定せず、また延長&解除する際にはそれまでの結果のフィードバックを行っていないのが現状です。

ビジネスにおいて利用される「PDCAサイクル:P(Plan;計画)・D(Do;実行)・C(Check;結果評価)・A(Act;改善)」ですが、宣言の発令&延長&解除においてもこのサイクルに沿って行うべきだと考えます。しかし、PDCAサイクルには外部の急激な変化に弱いというデメリットがあるため、その際にはアメリカ空軍をルーツとする「OODAループ:O(Observe;観察)・O(Orient;状況判断)・D(Decide;意思決定)・A(Act;実行)」を駒から修正を加えながら行うべきだと思います。

いずれにしろ、ある人からの「鶴の一声」に頼らずに、科学的根拠から客観的な判断に基づき判断・実行すれば、国民からの批判も少しは低減するのではないでしょうか。(補償等の経済支援は別のフェーズで議論)


結局これまで同様、1ヶ月以上続く3回目の緊急事態宣言となりましたが、「何が緊急事態なのか」「どうすれば緊急事態を解消できるのか」を政府や各自治体は具体的・客観的に議論&設定すべきです!!

同時に私たちは、手洗い・アルコール消毒などの基本的な対策をしっかり行い、感染の蔓延を抑えていきましょう!

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