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#書評 「バスケットボールの新しい教科書 実戦力が高まる「オフェンスルール」」

KADOKAWAの酒井さんから献本頂きました。ありがとうございます。酒井さんは、佐々木クリスさんと流通経済大学バスケットボール部ヘッドコーチの小谷究さんの共著でもある「100問の“実戦ドリル”でバスケiQが高まる」を手掛けた編集者でもあります。

スポーツのYouTuberが増えている

最近スポーツの技術やトレーニングを学ぶとき、10代の子どもたちはYouTubeで検索するそうです。スポーツに関するYouTuberは少しずつ増えてきていて、代表的な例はドリブルデザイナーの岡部将和さんです。岡部さんは「ドリブル」という技術を言葉で解説するだけでなく、実演してみせることで、あっという間に人気者になりました。

バスケットボールのYouTuberとして人気なのが「mituaki TV」を運営する磯ケ谷光明さんです。バスケットボールが上手くなるための技術を分かりやすく説明した動画が人気で、チャンネル登録者は10.3万人(2020年9月26日現在)を記録しています。

僕が面白いと思ったのは、磯ケ谷さんがYouTubeを始めたきっかけです。

磯ケ谷さんは高校まではバスケットボールを続けていましたが、大学では怪我の影響でプレーを続けることはできませんでした。ただ自身では高校3年間で大きく成長したという実感があったそうです。ミニバスや中学の頃にもっといろいろな事を教わっていれば、高校のときに怪我の対処法を知っていたら、もっとプレーを続けられたんじゃないか。そんな問題意識が、YouTuberとして活動を始めるきっかけになったそうです。

そして、YouTuberとして動画が観られるようになり、人気が出てきたのは嬉しい反面、自身が感じていた「ミニバスや中学では教えてくれない」といった課題が解決されていないと感じ、リアルでのクリニック、オンラインでの指導といった活動の場を広げています。そんなバスケットボールを取り巻く課題を解決したいと作られたのが、本書 「バスケットボールの新しい教科書 実戦力が高まる「オフェンスルール」」です。

バスケットボールを通じて成長するために必要なこと

本書は以下の5章で構成されています。

第1章:うまくなるためのマインドセット
第2章:実践力が高まるオフェンスルール
第3章:真の「シュート力」を理解・構築する
第4章:「ドリブル」というスキルを整理する
第5章:もう抜けずに悩まない!「1対1」最強のトリセツ

僕が特に読んでもらいたいと感じたのは、第1章「うまくなるためのマインドセット」です。

自分で何のためにバスケットボールをしているのか、なぜこの練習をしているのかなどを自分で考え、自分で必要なことに取り組む。それが成長に一番必要なことであることを、本書は丁寧に説明しています。

僕も第1章に書かれていることは同意でして、自分で考え、試してみて、上手くいかなかったら原因を考えて、また試す。この繰り返しがスポーツの楽しさであり、成長するために必要なことだと思います。

本書が素晴らしいのは、まず成長するために必要な考え方を伝え、次にプレーを判断する基準を伝えた上で、技術を具体的に伝えるという順番で構成されていることです。この構成によって、読み手は頭を整理した上で、身体を動かすことができるので、迷いなくトレーニングに取り組めます。

本書を読むと、バスケットボールの技術を身につけるのに必要なことだけではなく、バスケットボールを通じて自分を成長させるために大切なことが学べます。ぜひ読んでみてください。


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